研究課題/領域番号 |
19K22356
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
落合 謙爾 岩手大学, 農学部, 教授 (80214162)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 鳥白血病ウイルス / 先天性血管腫 / iPS細胞 / 無限分裂細胞 / RNA-seq / 心臓横紋筋腫 / 鶏 / 血管腫 / グリオーマ(神経膠腫) / 不死化細胞 / トリ白血病ウイルス / グリオーマ / 心筋症 / 遺伝子導入 / 初期化 |
研究開始時の研究の概要 |
グリオーマを誘発するトリ白血病ウイルス(ALV)の病原性を解析する過程で,そのうちの一株が異常心筋線維や心臓横紋筋腫を誘発することが感染実験により明らかになった。ヒトの原因不明の(特発性)心筋症の発生にはヒトレトロウイルス感染の関与が推察されているが,その詳細は解明されていない。そこで,本研究課題では ALV 誘発性心筋異常の発生機序の解析,すなわち,1)心筋異常好発部位の探索,2)ウイルスの病原遺伝子の探索,3)初期化による異常心筋細胞由来株化細胞の樹立,4)初期化後分化誘導した異常心筋細胞の解析,以上4項目を通してレトロウイルス性心筋症の動物モデルの作出を試みる。
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研究成果の概要 |
鳥白血病ウイルス(ALV)性心筋異常の形成機序を解明するため,ALV感染鶏胚からiPS細胞を作製した。このiPS細胞には複数のALV株が感染していることが判明し,RNA-seq解析を行うことができなかった。一方,黒毛和種牛の多発性先天性血管腫から無限分裂細胞を作製することができ,RNA-seq解析によって本腫瘍ではTNF signaling pathwayの異常とTNFRSF6B遺伝子の過剰発現が生じていることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
iPS細胞および無限分裂細胞は異常な細胞を生きたまま保存できることから,原因不明の疾病研究や発がん機序解明への応用が期待されているが,ヒトを含め成功例は少ない。そこで,今回レトロウイルス性腫瘍からiPS細胞を,非ウイルス性腫瘍から無限分裂細胞を作製し解析を試みた。ウイルス性腫瘍の解析には改良が必要であるが,少なくとも無限分裂細胞化技術は動物疾病,特に稀な動物腫瘍の細胞レベルの解析を容易にすることから,今後の応用が期待される。
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