研究課題/領域番号 |
19K22364
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
南 直治郎 京都大学, 農学研究科, 教授 (30212236)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 受精卵 / 遺伝子発現 / 金ナノ粒子 / ヒートショック / ヒートショックプリモーター / 遺伝子発現制御 / 初期胚 / 分化制御 / HSPプロモーター / 遺伝子導入 / 割球の運命決定 |
研究開始時の研究の概要 |
受精卵の細胞分裂は最初は空間的な位置関係も含め均等に起こるが、数回後の分裂からは細胞の位置や役割は均一ではなくなる。着床前には将来胎仔になる細胞と将来胎盤になる細胞に分化するが、この分化がいつどのようにして起こるのかは分かっていない。本研究では、受精直後の胚に金ナノ粒子と温度上昇により遺伝子発現を誘導できるプラスミドDNAを取り込ませ、細胞分裂が進んだ時点で受精卵の特定の割球にレーザー光を照射することで、金ナノ粒子を振動させその割球の温度を上昇させる。温度が上昇した割球で分化誘導を制御するエピジェネティックな修飾に関わる遺伝子を発現させ、受精卵で起こる最初の分化の制御機構を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、発生途中のマウス受精卵の1割球における遺伝子発現を制御する実験系を開発する目的で、受精卵に導入した金ナノ粒子にレーザーを当てて特定の割球内でヒートショックを誘導し、HSP70プロモーターの下流の遺伝子を強制発現させる系を考案した。その結果、高温条件下でプロモーターが機能することと、受精卵に導入した金ナノ粒子にレーザーを照射することで、割球を加熱できることが確認できた。また、HSPプロモーターを導入した受精卵の作出効率が10-30%と低かったことからノックインマウス系統の樹立を試みたが、目的のノックインマウスを得ることはできなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
受精卵における発生初期の細胞分化の研究は、細胞がどのような過程をたどって個体へと発生していくかの第一歩を明らかにするものであり、どのような遺伝子発現により細胞の分化が始まるかは明らかになっていない。本研究で目的とした、各割球における遺伝子発現の差を人的に誘導することが可能になれば、割球の分化開始シグナルを同定することができ、これまで不明であった全能性から多能性への移行メカニズムの解明や正常な発生に必要な遺伝子発現ネットワークを理解することができ、将来的には生殖補助医療などの治療に貢献できる。
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