研究課題/領域番号 |
19K22365
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宮沢 孝幸 京都大学, ウイルス・再生医科学研究所, 准教授 (80282705)
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研究分担者 |
水野 拓也 山口大学, 共同獣医学部, 教授 (90398826)
中川 草 東海大学, 医学部, 講師 (70510014)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 内在性レトロウイルス / イヌ / 口腔悪性黒色腫 / 腫瘍マーカー / メラノーマ / がん治療 / 診断マーカー / RNA-seq |
研究開始時の研究の概要 |
メラノーマは転移性が高く、早期診断系や抗がん治療の開発が求められている。ヒトやマウスのメラノーマでは、内在性レトロウイルス(ERV)が活性化し、ウイルス様粒子を放出していることが明らかとなっている。このようなERV粒子は診断マーカーや治療ターゲットとしても有望である。本研究課題では、独自の先進的ERVデータベースを使用することで、ERVの網羅的解析を実施し、ERVを標的とした新規診断法の開発とその獣医臨床への応用検討を行う。また本研究では、メラノーマの腫瘍免疫におけるERV粒子の機能解明を行い、治療ターゲットとしての検証を実施する。
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研究成果の概要 |
内在性レトロウイルス(ERV)は、過去に宿主の生殖細胞に感染したレトロウイルスの残骸である。ERVの多くは非機能性エレメントと考えられているが、一部のERVはタンパク質を発現することができるORFを保持している。ERV-ORFがコードするタンパク質は、発がんに関与する可能性があるが、ヒトとマウス以外の哺乳類を対象とした研究は限られている。ここでは、イヌの口腔悪性黒色腫(OMM)で発現しているERV由来の遺伝子を同定した。OMMサンプルにおいて、11個のERV由来遺伝子を同定した。発現差解析の結果、4つのERV由来遺伝子が健常組織と比較してOMMで発現が上昇していることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、サンプル数が少ないことと、十分にデザインされた対照群がないことで、いくつかの限界がある。これらは、サンプル収集が飼い犬の病院での手術に依存するという避けられない状況に一部起因している。さらに、RNA-seq解析で同定された転写産物およびタンパク質の発現は、免疫組織学的に検証されていない。しかし、4つのERV由来遺伝子(PEG10、LOC111094052、2つのfragmented-ORF遺伝子)がイヌのOMMで発現していることが明確に示された。これらの結果は、ERVのコピー数が比較的少ないイヌにおいても、ヒトやマウスと同様のERV由来遺伝子が発現していることを示している。
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