研究課題/領域番号 |
19K22366
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
原山 洋 神戸大学, 農学研究科, 教授 (30281140)
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研究分担者 |
中嶋 昭雄 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 准教授 (70397818)
坂瀬 充洋 兵庫県立農林水産技術総合センター, 北部農業技術センター, 課長 (70463396)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 応用動物 / 畜産学 / 雄性繁殖学 / 精子 / 人工授精 / ウシ / 応用動物学 / 雄性繁殖能力 / 鞭毛運動 |
研究開始時の研究の概要 |
目的は,ウシの繁殖成績を回復させるための精子検査の評価基準の見直しである。現行の評価基準は「前進運動が良好な精子の運動様式である」という学説に基づいている。しかし私たちは,ウシ精子の前進運動に3次元ローテーションを伴う運動(R+)とローテーションしない2次元平面運動(R-)が存在し,鞭毛シグナル伝達分子の活性が低い精子は(R+)を,活性が高い精子は(R-)を示すことを報告した。この事実は検査の評価基準の見直しが必要であることを示唆している。しかし見直しに際して3次元ローテーションの詳細な知見が必要である。本研究ではウシ精子の3次元ローテーションの発生機構と役割を解明し,その現象の利用を検討する。
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研究成果の概要 |
本研究では,ウシ凍結保存射出精子用の鞭毛機能検査法の評価項目(新規候補)「3次元ローテーション」について,発生機構の解明,生物学的な位置づけ,および利用の検討を行い,次の成果を得た。 (1.発生機構)凍結保存に伴う3次元ローテーションの発生に,頸部細胞内Ca2+ストアのタプシガルギン感受性Ca2+ポンプにおける機能の低下,およびそれに伴う細胞内Ca2+濃度の上昇が関与することを示した。(2.位置づけ)3次元ローテーションが受精能獲得途上の精子で観察される運動様式であることを示唆した。(3.利用)鞭毛機能検査法での新規の評価項目として3次元ローテーションが有用である可能性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ウシ凍結保存射出精子のための鞭毛機能検査法における評価精度を向上させるための改良として,新規の評価項目「3次元ローテーション」の導入に道筋をつけることができた。この成果により,人工授精によるウシの生産効率を改善でき,産肉能力や泌乳能力に優れる産子を一層増産できるようになると期待される。さらに本研究成果は畜産乳製品を市場に安定供給するためのウシの生産システムの拡充に寄与すると考えられる。
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