研究課題/領域番号 |
19K22369
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
岩森 巨樹 九州大学, 農学研究院, 准教授 (70647362)
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研究分担者 |
岩森 督子 九州大学, 医学研究院, 助教 (10711509)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 性決定 / 性染色体 / ヒストン脱メチル化酵素 / ゲノム編集 / UTX / UTY / 性差 / 性分化 / 性転換 |
研究開始時の研究の概要 |
哺乳類の雌雄の間ではY染色体上遺伝子の発現の他に、性染色体上ヒストン脱メチル化酵素UTX及びUTYの活性が異なる。本研究ではUTX及びUTYにアミノ酸置換を導入し、UTXの脱メチル化活性をUTY型にまで減弱させた雌マウス、及びUTYの脱メチル化活性をUTX型にまで増強させた雄マウスを作製し、生殖腺、生殖細胞や脳の性分化への影響を調べ、UTX及びUTYの異なるH3K27脱メチル化活性が性分化制御に関与するかどうか明らかにする。
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研究成果の概要 |
UTX及びUTYは性染色体にコードされたH3K27脱メチル化酵素であるが、両者の酵素活性には大きな差があるため、両者の活性差異が性決定に関与するかどうか、雌雄の活性を逆転させることで、性転換が起こるかどうか明らかにすることを目的とした。UTX及びUTYのアミノ酸配列及び結晶構造を参照し、UTXの活性をUTY型(UTX↓)に、UTYの活性をUTX型(UTY↑)に変換しうるアミノ酸変異体を複数作製し、培養細胞を用いて、最適なアミノ酸変異を同定した。同定したアミノ酸変異を持つマウスをゲノム編集により作製したが、UTX↓を持つ雌、UTY↑を持つ雄ともに性転換は見られなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
性は性染色体の遺伝的性で決定され、生殖線のみならず脳など様々な組織で性差が現れる。近年、LGBTなどの性の多様性が広く認識されるようになり、性差の制御にも多様性、連続性があるという考えが広まりつつある。本研究で対象とするUTXとUTYは活性が異なることから性差を構築する候補として考えられる。本研究結果によりUTX/UTYが雌雄の性決定に関わりがない可能性が高くなったことから、実際にUTX/UTY変異マウスが組織レベル、細胞レベルでの性差構築を解析する有用なツールとなることが示された。
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