研究課題/領域番号 |
19K22372
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分42:獣医学、畜産学およびその関連分野
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
岩田 尚孝 東京農業大学, 農学部, 教授 (50385499)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 多糖ゲル / 培養基質 / 体外受精 / 体外発育卵子 / アクチン重合 / 胚盤胞 / 卵子発育 / 胚発生 / Focal Adhesion / 卵子 / 胚 / Hippo signaling / 多糖軟質ゲル / Hippoシグナル / 多糖類 / 細胞外核酸 |
研究開始時の研究の概要 |
卵子や胚の培養は生殖工学や生殖医療の基盤技術である。これらの技術は硬いシャーレ上での培養から得た知見を集約したものであり、現行の培養技術では、体内から回収した卵や胚と同等のものは作成できない。一方、体内環境には、大量の支持細胞、柔軟な基質そして体液に溶けた生理活性物質やエクソソームがある。申請者は安全で簡便に調整できる植物由来の多糖類を用いて柔らかい基質を作製し、この新基質を用いて、細胞の性状変化を誘起し、これに応じて分泌されるエキソソームmiRNAを調べ、基質と培養環境を含む統合的な新培養システムを開発する。
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研究成果の概要 |
本研究では、キサンタンガムとトーキャストビーンガムで作成した多糖ゲル上で、卵子の体外発育、体外成熟そして初期胚の培養を行い、プラスチック上の物と比較した。プラスチック上に比べて多糖ゲル上では卵子の体外発育、体外成熟および胚の体外発育胚全てが、プラスチック上に比べて改善された。ゲル上で発育した卵子や胚では、アクチンの重合が促進していた。顆粒層細胞を用いたRNAseqでは発現変動遺伝子がアクチン骨格制御やHippo signalingに関連付けられた。ゲル上の培養によって発現亢進するmiRNAが確認された。多糖ゲルは細胞骨格に働きかけ、卵子や胚の発育に有効であることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
卵子や胚の発育にはシャーレ上のドロップが用いられる。プラスチックの特性が細胞の形態や分化に影響することが明らかにされつつあるが、本研究では卵子も胚も多糖ゲルで作成した基質の特性に反応して、その発育率や質を大きく改善することが明らかになった。多糖ゲル上では細胞内のmiRNAのプロファイルも大きく変化することが明らかになった。現行の培養環境は、基質性状から改善の余地が大きいことが明らかになった。
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