研究課題/領域番号 |
19K22375
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
千葉 由佳子 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (70509546)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 上流ORF / 概日時計 / シロイヌナズナ / 翻訳制御 |
研究開始時の研究の概要 |
概日時計は昼夜間での環境変化や季節の変化に適応する機能をもつ環境応答システムであり,固着性の生物である植物にとって非常に重要な意義をもつ。概日時計に関する研究は転写レベルの解析が精力的に進められている一方で,近年の研究により転写後制御の重要性が示されているもののいまだ不明な点が多い。本研究ではシロイヌナズナの概日時計の制御に,上流ORFによるリボソーム停滞を介した時間依存的な翻訳制御が関わっている可能性を見出しており,その分子メカニズムと生理学的意義を明らかにする。
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研究成果の概要 |
地球上の多くの生物は24時間周期で変動する様々な環境変化に適応して生きている。その根幹を担うのは概日時計であり、ほとんどすべての生物種が持っている。光合成を行なう植物にとっては概日時計のしくみは重要で、転写因子による複数のフィードバックループが組み合わされた複雑な機構となっている。私たちは時計遺伝子のひとつで転写レベルの制御に加えて、翻訳レベルの調整が行われている可能性を見出し、その分子メカニズムと生理学的意義の解明を目指している。本研究では、その翻訳制御には光が重要な役割を持つことを明らかにし、さらに同様の制御が周期変動する他の多くの遺伝子群にも存在する可能性を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
概日時計の研究の多くは転写制御に着目して行われてきた。そのため、転写後制御がどのように関わっているのかについての知見はいまだ限定的である。そのような中、本研究では翻訳量の網羅解析をシロイヌナズナで経時的に行うことで、周期的に発現する多くの遺伝子が翻訳制御を利用していることを示した。さらに翻訳制御を受けている主要な時計遺伝子の一つを詳細に解析することで、上流ORFを介した制御が存在する可能性を示した。このように本研究は、翻訳制御研究と概日時計研究の両分野にインパクトを与える内容となっている。
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