研究課題/領域番号 |
19K22383
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
五島 剛太 名古屋大学, 理学研究科, 教授 (20447840)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 分裂酵母必須遺伝子 |
研究開始時の研究の概要 |
分裂酵母を材料に、通常の培養条件で増殖に必須であることが知られている遺伝子を完全に失った細胞の増殖能力を実験的に回復させることを試みる。そして、増殖機能が回復した要因を分子レベルで突き止めることで、その必須遺伝子のロスを代替するサブ機構を明らかにする。多くの遺伝子を解析することで、必須遺伝子を失うという生物進化上のイベントについて、その一般的仕組みを考察する。たとえば、現在の主要機構が発達したのは必然だったのか、あるいは別の進化の方向性もあり得たのか、議論する。
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研究成果の概要 |
細胞分裂を制御する遺伝子は広い生物種で共通していることが多いが、一方で、特定の遺伝子を持っていない生物種もある。この場合、その生物種は進化の過程で、まだ私たちが把握できていない遺伝子を使った機構を発達させたと考えられる。本研究では、実験室内で生物の遺伝子変異を蓄積していく方法により、細胞分裂に必須とされてきた遺伝子をひとつ失った酵母が、代替機構を発達させることで致死性を回避し増殖し続けられる例を示すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酵母を使った実験で、細胞分裂に必須と考えられていたタンパク質リン酸化酵素Poloをなくしても、別のタンパク質リン酸化酵素CK1を介した予想外の細胞分裂制御機構が働くことがわかった。両者の同様の関係性は、ヒトの癌患者由来の培養細胞においても確かめられた。Poloの阻害剤は抗癌剤として有力視されているが、癌細胞の分裂(増殖)を抑えるためには、別機構との二重阻害が必要かもしれないことも示唆された。
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