研究課題/領域番号 |
19K22386
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今村 博臣 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (20422545)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 解糖系 / 酸化的リン酸化 / ATP / ワールブルグ効果 / CRISPR / FRET / 蛍光バイオセンサー / フローサイトメトリー / エネルギー代謝 / フローサイトメーター |
研究開始時の研究の概要 |
多くのがん細胞では、正常細胞とは異なり、十分な酸素が存在する場合でもATPの大部分が解糖系によって酸素非依存的に作られることが知られており、この現象は「ワールブルグ効果」と呼ばれている。蛍光ATPバイオセンサーとフローサイトメーターを組み合わせ、エネルギー代謝様式の異なる細胞を分離するための独自手法を用いることで、がん細胞のワールブルグ効果の制御に働く一連の遺伝子群を明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
がん細胞が解糖系への依存度が高いATP合成をおこなうために重要な役割を果たす遺伝子の探索をおこなった。まず、フローサイトメーターを用いた細胞内ATP濃度の計測をおこなうため、室温(25℃)において高いパフォーマンスを発揮する改良型の蛍光ATPバイオセンサーを開発した。次に、がん細胞にゲノムワイドな遺伝子破壊をおこない、解糖系を阻害した際のATP濃度の低下が抑制された細胞をフローサイトメーターを用いて単離した。フローサイトメーターによる細胞の単離プロセスを繰り返すことで、解糖系へのATP合成の依存度が低い細胞集団を得ることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がんは日本国民の死亡原因の第1位であり、2人に1人が生涯のうちに罹患する。一方、がんの治療法は未だ十分とは言い難い。がん細胞は正常細胞とは異なり、解糖系に極めて強く依存したATP合成をおこなっていることが知られているが、その詳しい仕組みはまだ解明されていない。今回の研究成果は、がん細胞の特異なエネルギー代謝の仕組みを明らかにするための足がかりになるものである。
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