研究課題/領域番号 |
19K22389
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
平岡 泰 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10359078)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 超長鎖脂肪酸 / 染色体 / ゲノム / 脂肪酸代謝 / 核膜 |
研究開始時の研究の概要 |
超長鎖脂肪酸(炭素鎖が21以上の脂肪酸)は、長鎖脂肪酸(炭素鎖が11から20)には代替できない重要な働きがある。そのひとつが皮膚の主要な成分であるセラミドを形成して皮膚バリアを形成することである。超長鎖脂肪酸は細胞内においても必須な働きをすると考えられているが、その詳細はわかっていない。真核細胞のゲノムは核膜に覆われており、核膜は生存にとって重要な役割を持つ。我々は、分裂酵母細胞を使った研究から、超長鎖脂肪酸伸長酵素が核膜構造の維持に働く可能性を見いだしたので、超長鎖脂肪酸が核膜の機能を介してゲノムの安定性に与える影響とその仕組みについて研究する。
|
研究成果の概要 |
超長鎖脂肪酸は、炭素鎖が21 以上の脂肪酸である。総脂肪酸量のわずか数%しか存在しないにもかかわらず、長鎖脂肪酸には代替できない重要な生理的な働きがある。しかし、細胞内での超長鎖脂肪酸の働きは不明なままであった。本研究は、超長鎖脂肪酸の細胞内での機能を明らかにするものである。特に、核膜と染色体の機能維持に働く仕組みの理解を目指して研究を行った。細胞内の核膜構造の形成・維持に、超長鎖脂肪酸合成酵素とその活性が重要な働きをすることが明らかとなった。さらに、核膜と小胞体膜の境界維持に核膜タンパク質Lem2とERタンパク質Lnp1が重要であることを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
超長鎖脂肪酸は、総脂肪酸量のわずか数%しか存在しないにもかかわらず、長鎖脂肪酸には代替できない重要な生理的な働きがある。そのひとつが皮膚のバリアー機能である。超長鎖脂肪酸はセラミド(スフィンゴシンと脂肪酸が結合したもの)として皮膚の脂質膜に含まれることが知られている。しかし、細胞内での、超長鎖脂肪酸の局在や機能など多くの問題が謎のままであった。本研究により、皮膚のない生物である分裂酵母でも、超長鎖脂肪酸が存在し、生存に必須の働きをすることが分かった。さらに、その合成酵素は核膜やER膜に存在し、その活性は、核膜構造の維持を通して、ゲノムの安定維持に働くことが分かった。
|