研究課題/領域番号 |
19K22393
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 (2020-2022) 大阪大学 (2019) |
研究代表者 |
加納 純子 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (10323809)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 染色体 / ゲノム進化 / テロメア / サブテロメア / 大型類人猿 / 霊長類 / クロマチン / ヒト科生物 / 進化 / ヒト科 / ヒストン |
研究開始時の研究の概要 |
チンパンジー、ボノボ、ゴリラ、オランウータンが属する大型類人猿は、進化的にヒトに最も近いと言われている。しかし、両者の間には染色体構造に明らかな違いがある。その代表例として、チンパンジー、ボノボ、ゴリラでは、テロメアとサブテロメアの間に32塩基を単位とする長大な繰り返し配列 (StSat 配列) が存在するが、ヒトには全く存在しないことがあげられる。本研究では、大型類人猿のStSat配列の機能解析を通じて、サブテロメア領域のDNA組換えと遺伝子発現という二つ側面から、ヒトをヒトたらしめているものは何か?という生物の根本的な謎を解くための手がかりを得ることに挑戦する。
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研究成果の概要 |
約40億年の間、生物はゲノムを徐々に変化させて進化してきた。進化的にヒトに最も近いとされるチンパンジー、ボノボ、ゴリラでは、共通遺伝子の配列はヒトとほとんど同じであるが、ゲノムシークエンスデータ解析により、染色体末端ドメインのテロメアに隣接する領域はかなり異なることがわかった。また、チンパンジー細胞のテロメア隣接配列StSatでは転写抑制効果をもつヘテロクロマチンが形成されていることがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物とは変化しつづけるものであり、これまで様々な地球環境変化を生き抜いてきた。テロメア隣接領域は、ゲノムの中でも特に変化しやすいことから、生物の進化能力と直結している可能性がある。本研究の成果は、生命の根本である進化能力の分子メカニズムの解明に迫るものであり、多くの人が関心を寄せることが期待される。一方、ヒトのテロメア隣接領域には様々な病気と関連のある遺伝子が多数含まれており、サブテロメアの変化はそれらの発症の原因となっていることが知られていることから、サブテロメアの変化に着目している本研究は、医療にも貢献することが期待される。
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