研究課題/領域番号 |
19K22395
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
塚崎 智也 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (80436716)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 膜蛋白質 / 膜タンパク質 / タンパク質 |
研究開始時の研究の概要 |
細胞内で合成された蛋白質がどのように膜へと組込まれるのか,その詳細な分子メカニズムは不明であり,より詳細な解析を行うためには,1ユニット(反応最小単位)での解析が必要である。本研究では,新規ポリマーに着目した研究を進める。このポリマーは直接生体膜から膜蛋白質を生体内の脂質環境のまま取り出せ,抽出後はディスク状のナノ粒子を形成する。しかし,形成効率に問題がある。はじめに効率よく新規ポリマーを用いて膜蛋白質を抽出する系を構築する。次に蛋白質輸送に関わる必須の膜蛋白質の分子メカニズム解明に向けた活性の評価を行う。本研究による成果は,他の様々な蛋白質の詳細な解析に応用できる。
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研究成果の概要 |
膜蛋白質の分子メカニズムを詳細に理解するためには1ユニットの膜蛋白質を測定できる新しい測定手法が必要であった。本研究では膜蛋白質含有ナノ粒子に着目し、2種類の膜蛋白質を組み込んだナノディスクを調製した。どちらも条件を最適化することで膜蛋白質を特定の2方向から高速原子間力顕微鏡で観察できた。さらに、1ユニットの膜タンパク質の動態を観測すべく、研究を進めた。本手法は今後の膜蛋白質の動態観察への応用が期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
膜蛋白質の分子メカニズムを理解するには、膜に埋め込まれた状態で1分子観察する必要がある。本研究の2つの膜蛋白質の測定の成功例から、本手法はさまざまな膜タンパク質に適応可能な手法である。たとえば,次のような膜蛋白質の動態観察に有用であると考えられる。膜を隔ててシグナルを伝達する膜タンパク質では,本手法を用いることで膜の両側の構造変化を一度に確認することができ、リアルタイムでシグナル伝達の詳細を構造生物学的に理解できる。また、大きな構造変化を伴って物質を輸送するABCトランスポーターの脂質中での動態解析に適切な手法であると考えられる。
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