研究課題/領域番号 |
19K22405
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
小田原 真樹 国立研究開発法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 研究員 (40460034)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 遺伝子移行 / 葉緑体 / ミトコンドリア / 細胞内遺伝子移行 |
研究開始時の研究の概要 |
植物ミトコンドリアゲノムには葉緑体ゲノムの一部が挿入されているケースが頻繁に見られ、これは葉緑体からミトコンドリアへの細胞内遺伝子移行機構の存在を示唆する。本研究は葉緑体からミトコンドリアへの遺伝子移行が現在進行中であることの証明を試みるものであり、これは同時にミトコンドリアの形質転換系を確立することを意味する。ミトコンドリアの形質転換は、動物を含め多細胞生物においては未だ成功例がなく、本研究は植物に内在すると考えられるオルガネラ間の遺伝子移行機構に利用してミトコンドリアの形質転換を行う初の試みである。
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研究成果の概要 |
本研究は葉緑体からミトコンドリアへの遺伝子の移行を検出することを目的とした。遺伝子移行を検出することはできなかったが、これは遺伝子移行が頻繁ではない可能性を示唆している。一方で、遺伝子移行を検出するための系を改良し、遺伝子移行が熱ストレスによって亢進されている可能性を見出すことができた。今後はこれらの系をもとに改良し、より大規模な実験を行うことにより、葉緑体からミトコンドリアへの遺伝子移行を検出することできると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ゲノムの流動性や多様性を引き起こす葉緑体からミトコンドリアへの遺伝子移行の検出は初の試みであった。多くの課題が見つかったものの、遺伝子移行を検出する系を確立し、また遺伝子移行機構に関するヒントを得ることができたことは、この分野における大きな一歩であったと考えられる。今後、本研究をもとに、生物の多様性をもたらす遺伝子移行やゲノム流動性、植物における物質生産を可能にするミトコンドリア形質転換の研究へと発展することを期待する。
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