研究課題/領域番号 |
19K22406
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分43:分子レベルから細胞レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
岩崎 信太郎 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 主任研究員 (80611441)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 翻訳 / Ribosome / Ribosome profiling / 重力 / ミトコンドリア / リボソーム / mRNA |
研究開始時の研究の概要 |
生命は40億年の歴史の中で、地球上の重力に適応、進化してきた。しかしその一方で生命が地球上の重力という環境をどのように利用し、遺伝子発現を制御しているのか?という問いは、基本的なものであるのに関わらず驚くべきほどよくわかっていない。本研究では、セントラルドグマの中核をなす「翻訳」が重力によってどのように影響されるか、というこれまでの生物学の歴史で全く研究されていないフロンティアに挑戦する。
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研究成果の概要 |
地球上の生物は地上の重力に適応するように進化してきた。しかしながら、生物が重力をどのように利用しているのか、といった根本的な問題は十分に理解されていない。本研究では、ミトコンドリアが重力を利用してその翻訳を促進していることが明らかになった。微小重力化で培養したヒト細胞を用いて網羅的手法であるribosome profiling法を行ったところ、ミトコンドリア内翻訳が特異的に減少していることが明らかになった。さらに微小重力によるミトコンドリア翻訳の減少は、細胞接着またはそれに付随するFAKシグナル経路の減弱によることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により細胞が重力を利用し、エネルギーを産生するオルガネラ内の翻訳を活性化しているという機構が明らかになった。生物にとって重力が非常に重要な物理的パラメーターであることは、宇宙に長期滞在した宇宙飛行士の加齢様症状によっても明らかである。特にミトコンドリアダメージは加齢と密接に関わることが知られており、本研究で明らかになった微小重力によるミトコンドリア翻訳の減少がまさにその引き金になっている可能性を示唆する。また、細胞接着とミトコンドリア翻訳の関連はこれまで全く知られていない現象であり、新たな研究のseedを生むという意味で学術的意義は高い。
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