研究課題/領域番号 |
19K22410
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田中 耕三 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (00304452)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞・組織 / DNA損傷応答 / ヘテロクロマチン / 細胞 / 組織 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、溶液が混じり合わずに分離する現象である液-液相分離と、ヘテロクロマチン領域におけるDNA2本鎖切断修復との関連を明らかにすることを目的とする。ヘテロクロマチン形成に主要な役割を果たすHP1は、最近液-液相分離を起こしてヘテロクロマチン領域を周囲から隔てていることが報告された。一方我々は、HP1の結合分子であり、自身で同定したCAMPが、DNA2本鎖切断の相同組換えによる修復に関与し、かつ液-液相分離を起こすことを見出している。そこで本研究では、CAMP, HP1がどのような条件で液-液相分離を起こし、これがDNA2本鎖切断修復にどのように影響するかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本課題では、新規分子CAMPが、液-液相分離および2本鎖DNA切断修復にどのように関与するのかを明らかにすることを目的とした。CAMPは、液-液相分離を起こすことが報告されたヘテロクロマチン因子HP1と結合し、CAMP自身も液滴を形成することがわかった。CAMPの液滴形成にはC末端の領域が必要であり、またCAMPが形成する液滴中には、HP1が含まれることが明らかになった。一方CAMPは2本鎖DNA切断の相同組換えによる修復に関与し、これにはCAMPのC末端が必要であることがわかった。これらのことから、CAMPがC末端を介して液-液相分離および相同組換え修復の双方に関与することが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、液ー液相分離が様々な生命現象に関与することが急速に明らかになっている。本研究では、研究代表者が発見した新規分子CAMPに着目し、液ー液相分離とDNA損傷修復との関連について研究を行った。その結果、CAMPが細胞内の不活性化領域であるヘテロクロマチンの形成に関与するHP1と共に液滴を形成すること、CAMPのC末端領域が液滴形成と相同組換えによるDNA2本鎖切断修復の双方に関与することが明らかになった。最近HP1による液ー液相分離がヘテロクロマチン形成に関与することが報告されており、本研究の成果はヘテロクロマチン領域のDNA2本鎖切断にCAMPが関与する可能性を示すものである。
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