研究課題/領域番号 |
19K22411
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
豊福 雅典 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (30644827)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | プロファージ / 細菌 / 形態分化 / 細胞壁 / スフェロプラスト / エンドリシン |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では内在性ファージの働きによって細菌集団中に一定の割合で出現する、細胞壁を失った細菌を解析する。細胞壁を失った細菌は通常細菌とは明らかに異質であり、これまでに想定されてきた細菌の形質の範囲を大きく押し広げることが予想される。さらには、物質生産等、細菌を利用した産業に画期的な知見を提供する可能性がある。
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研究成果の概要 |
ゲノムにプロファージを保持している細菌では、集団全体の1%程度の割合で細胞壁を失った細菌が出現することを我々は見出した。細菌は細胞壁を失うと、通常の細菌とは大きく異なる性質を発揮することが考えられるが、これまでに検証されてこなかった。本申請課題では、細胞壁を失った細菌の基礎的性状を明らかにすることを目的とした。細胞壁を失った細菌の出現頻度は低いため、培養条件の最適化を行い、全体の90%近くの細胞が細胞壁を失って生存する培養系を構築した。このような細胞はグラム陰性菌とグラム陽性菌の両者で出現することも明らかにし、解析の結果、一種の休眠状態になっていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
細胞壁を失った細胞は通常の細胞とその性質が大きく異なることが予測されるが、そのような細胞が自然界に存在し、何らかの役割を果たしているとはこれまでにほとんど考えられてこなかった。本成果によって細胞壁を失った細胞がグラム陰性菌および陽性菌のモデル細菌で出現することが明らかとなり、多くの細菌が環境に応じて一種の形態分化を行うことが示唆された点で学術的な意義がある。さらに、細菌を失った細菌はある種の抗生物質への耐性も示しており、微生物制御新たな観点もたらす。
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