研究課題/領域番号 |
19K22422
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉村 成弘 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (90346106)
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研究分担者 |
本田 直樹 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (30515581)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2019年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | アクチン / 原子間力顕微鏡 / 表層骨格 / シグナル伝達 / 機械学習 / 高速原子間力顕微鏡 / 表層アクチン / 細胞骨格 / ライブセルイメージング / アクチン骨格 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞の中には、細胞表層骨格の制御シグナルに異常を持つものが多い。その原因解明には骨格の分子構造の動的変化に関する解析が必要であるが、電子顕微鏡や蛍光顕微鏡などの従来の観察技術では容易ではない。本研究代表者はこれまでに、生細胞観察に特化した高速原子間力顕微鏡を開発し、表層骨格線維の動態を数秒の時間分解能で可視化するという世界で唯一の技術を確立した。本研究課題では、この膨大な連続画像とシグナル分子の活性情報という多次元・多変数の画像データを、機械学習により統合することで、、ヒトの認知能力の限界を超える新たなデータ解析法の確立する。そして、がんと細胞骨格との新たな関係性を見いだすことを目指す。
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研究成果の概要 |
高速原子間力顕微鏡により得られた生きた細胞表層の連続画像から、アクチン線維の時空間的情報を自動抽出し、機械学習に必要な大量の学習データとして利用する手法を確立した。画像の局所毎にアクチンフィラメントの方向を潜在変数とした確率的生成モデルを構築し、アクチンフィラメントの存在とその方向を推定することに成功している。これを培養細胞から得られた連続画像データに応用することで、これまで未知であったアクチンフィラメントの角度分布構造を発見するに至っている。また、蛍光顕微鏡との相関イメージングと光刺激型シグナル分子を組み合わせ、Rhoシグナルに応じたアクチン線維の情報(学習データ)を取得することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの画像解析技術では、高速原子間力顕微鏡により得られた連続画像から、各アクチン線維の時空間的情報を自動抽出するのは極めて困難であった。本研究課題で確立した画像解析技術は、様々なクオリティーの連続画像から自動かつ高いS/N比でアクチン線維の時空間的情報を抽出することが可能であり、機械学習に用いる大量の学習データを取得するのに貢献するのみならず、これまで未報告であった表層アクチン動態の解明を可能にするものである。このデータを機械学習に入力することで、従来の人の手による画像解析では発見不可能であった細胞の状態変化(がん、細胞死等)を、早期に見つける技術の確立がより現実的になると期待される。
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