研究課題/領域番号 |
19K22424
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
井垣 達吏 京都大学, 生命科学研究科, 教授 (00467648)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 細胞競合 / 細胞死 / 細胞間コミュニケーション / ショウジョウバエ |
研究開始時の研究の概要 |
「細胞競合」とは、生体内で隣り合う細胞間で相対的に増殖能・生存能に優る細胞(勝者)が劣る細胞(敗者)を排除する現象である。近年、細胞競合はその生物学的重要性が広く認識されつつあり、器官発生や組織再生、組織恒常性の維持、さらにはがんをはじめとする様々な疾患において重要な役割を果たすと推察されている。本研究は、ショウジョウバエをモデル生物として用い、様々な因子により誘導される細胞競合の共通メカニズムを明らかにしようとするものである。本研究を遂行することにより、機構未知の多様な生命現象や疾患の理解に貢献できるものと期待される。
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研究成果の概要 |
生体内で隣り合う細胞が生存を争い、一方の細胞が細胞死を起こして組織から排除される現象が存在し、「細胞競合」と呼ばれている。本研究では、ショウジョウバエをモデル生物として用い、細胞競合を引き起こす遺伝子変異を網羅的に探索・同定し、それらの細胞競合の分子機構の解析を行った。その結果、細胞競合の実行においてオートファジーが重要な役割を果たしていることを見いだした。また、様々な遺伝子変異によって引き起こされる細胞競合が、共通して転写因子Xrp1を介して実行されることを発見した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、異なる原因によって引き起こされる細胞競合の実行に共通してオートファジーや転写因子Xrp1が重要な役割を果たすことが明らかになった。本研究の成果により、多細胞生物における細胞間コミュニケーションの仕組みの理解に近づくことができると期待される。また、本成果を基に細胞競合を人為的に制御できるようになれば、がんなどの細胞競合が関わる疾患に対する新たな治療戦略を構築できる可能性がある。
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