研究課題/領域番号 |
19K22425
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
志賀 向子 大阪大学, 理学研究科, 教授 (90254383)
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研究分担者 |
濱中 良隆 大阪大学, 理学研究科, 助教 (10647572)
長谷部 政治 大阪大学, 理学研究科, 助教 (40802822)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 二日リズム / 光周性 / Holotrichia parallela / Salcophaga similis / Drosophila melanogaster / 概倍日リズム / ナミニクバエ / オオクロコガネ / 時計遺伝子 / PTTH / 概日時計 / 時計細胞 / 神経分泌細胞 / PDF / circadian clock protein / circabidian rhythm / photoperiodism / Sarcophaga similis |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、昆虫の光周性と概倍日リズムを対象に、概日時計の計数機構を解くことを目的とする。実験には、キイロショウジョウバエ(野生型、時計変異体)を参照しながら、光周性の日数閾値が明確なナミニクバエ幼虫と地上への出現に明瞭な2日周期を持つオオクロコガネ成虫を用い、1 )脳内時計細胞ネットワークの同定、2)日数経過に伴う神経細胞の電気的性質および形態変化の探索、3)シナプス構造阻害、 時計遺伝子機能抑制の計数機構に対する影響の解析をおこなう。そして、概日時計のサイクル数に応じた神経接続様式の変化により日数計数性が生まれ、数日という時間が符号化されると いう考え方の是非を明らかにする。
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研究成果の概要 |
昆虫の光周性と概倍日リズムには概日時計を用いた日数計数機構が関与すると考え、光周性を持つナミニクバエと概倍日リズムを持つオオクロコガネの時計細胞および細胞ネットワークの一端を明らかにした。また、キイロショウジョウバエにおける短期間の日長情報の符号化とオオクロコガネの概倍日リズムには共通して脳の側方に位置する時計細胞が関わることが示唆された。さらに、オオクロコガネの脳における時計遺伝子の発現振動から、概倍日の計数に時計遺伝子が関わる可能性が示された。今後、これらの知見をもとに、日数計数に関わる時間符号化の分子・細胞機構を探ることができる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
生物は、細胞、組織、個体、社会いずれの階層においても「時間」と言う尺度を用い、総体として活動の調和を取っている。しかし、数日やそれ以上の長い時間を脳で符号化する具体的なメカニズムはわかっていない。本研究では、数日間の日長情報や二日リズムの形成に時計細胞が関わる可能性を示した。これは、今後、数日という時間が脳で符号化され、時間を認知するメカニズムの解明につながり得る。
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