研究課題/領域番号 |
19K22427
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
佐々木 洋 大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10211939)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 初期発生 / 細胞分化 / 着床前胚 / 胚操作 / Hippoシグナル / ゲノム編集 / エピブラスト / モザイク胚 / 細胞競合 / 技術開発 / 遺伝子変異マウス / マウス胚 / 発生 |
研究開始時の研究の概要 |
遺伝子変異マウスを用いた遺伝子機能の解析は広く用いられているが、胎生致死になる変異体の7割は胎盤の異常に起因する発生異常を示すため、胚体における遺伝子機能を解析できない。この問題を従来の技術で解決するには膨大な時間と労力が必要であり、変異マウスを用いた遺伝子機能研究の大きな障害となっている。本研究では、我々がこれまでの研究で明らかにしてきた、着床前マウス胚の細胞分化制御機構の知見とゲノム編集技術とを活用し、F0において胚体特異的に遺伝子変異をもつマウス胚を簡便かつ効率よく作り出す技術を開発します。
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研究成果の概要 |
遺伝子変異マウスは遺伝子機能の解析に広く用いられているが、胎生致死になる変異体の7割が胎盤の異常による発生異常を示す。本研究では、遺伝子の胚特異的機能を解析するために、着床前胚の細胞分化機構を制御することにより、胚特異的に遺伝子変異をもつマウス胚を簡便に作り出す技術の開発を目的とした。4細胞期胚の1割球にPARD6BとGATA6の機能を抑制し、初期胚盤胞期まで培養後に子宮に移植して発生させたところ、胎生10.5日において胚が操作割球に由来する細胞のみからなるものが43%の効率で得られた。今後、この方法をゲノム編集と組み合わせることで、胚特異的な遺伝子破壊マウスを簡便に作成できると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胎生致死になる変異体の7割が胎盤の異常による発生異常を示す。胚特異的な遺伝子機能を解析するためには胚特異的な変異体を作成する必要があるが、既存の方法で作成するには多くの労力と時間が必要なため、あまり解析されていないのが現状である。本研究では、4細胞期胚に対して胚操作を行うことで、操作した割球に由来する細胞のみからなる胚を効率よく作ることに成功した。この方法をゲノム編集と組み合わせることにより、F0で胚特異的な変異体を簡便に作ることが可能になると期待される。そのような技術が確立できれば、胎生致死になる変異マウスについて胚特異的な遺伝子機能を迅速に解明できるようになることが期待される。
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