研究課題/領域番号 |
19K22428
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
近藤 滋 大阪大学, 大学院生命機能研究科, 教授 (10252503)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 脱皮 / 形態形成 / 甲殻類 / クチクラ / 折り畳み / イセエビ / 幼生 / 3次元 / フィロゾーマ / 3D形態形成 / 折り紙 / 変態 |
研究開始時の研究の概要 |
イセエビの幼生は、1回の脱皮で、2次元平面から3次元形状に変態する。脱皮前後のクチクラの構造を電顕で詳しく解析することにより、クチクラの各地点での収縮率、収縮の異方性を測定し、それを幼生の平面上クチクラ形状にマップする。次にその平面情報から、収縮後の立体構造を、計算機により3次元物理計算から導き出す。成功すれば、平面の構造から、任意の3次元構造を瞬時に作り出す新しい技術が生まれる可能性がある。
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研究成果の概要 |
イセエビの幼生(フィロゾーマ)は、極めて薄い平面上の形態をしているが、1回の脱皮で、通常のエビの立体形状に変化する。脱皮にはわずか20分しかかからないことから、脱皮後の形状は既に、幼生の平面形状に内包されていなければならない。どのようにしてその変形が可能になるかを解明するのが目的である。研究では、まず、三重県水産研究所と共同でフィロゾーマを飼育し、変態途中のサンプルの取得、および、変態中のビデオ撮影に成功した。その後、サンプルを、走査電顕、マイクロCTなどで詳細に調べ、その表面形状から、短時間の変形の基礎になる原理が、クチクラの各部位の異方性のある拡大にあると推定された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義:変態がわずか20分で起きるということは、平面形状の中に、既に詳細な立体形状が内包されていることになる。そのような現象が起きる原理は、全く知られていないため、解明できれば、生物の形態形成原理において、新しいロジックを明らかにできるはずである。 社会的意義:平面形状は、重ねることが可能であるため、多数の対象物を保存するために有利である。立体形状が、平面から簡単に作る方法が明らかになれば、輸送・保存にかかるコストが著しく軽減されるはずである。
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