研究課題/領域番号 |
19K22430
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
柿本 辰男 大阪大学, 理学研究科, 教授 (70214260)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | defense / pathogen / growth / Arabidopsis / ecotype / FLS2 / シロイヌナズナ / エコタイプ / fls2 / FLG22 / 適応度 / 進化 / 基本免疫 / GWAS / 成長 / 植物 / 病原体応答 |
研究開始時の研究の概要 |
植物は、病原体に対して、まずは基本免疫応答で対応するが、病原体応答が強すぎると成長が阻害される。免疫応答と成長のトレードオフレベルの最適値は、エコタイプ進化の上でどのように獲得されるのだろうか。予備的実験により、基本免疫応答による成長抑制のレベルはエコタイプにより大きく異なっていることがわかってきた。それぞれの生息域で最適なバランスへとエコタイプが進化する仕組みを分子レベルで理解することを目標とする。ゲノム配列と採取地がわかっている1000のエコタイプを用いた研究と、特定エコタイプ間のrecombinant inbred 系統用いた研究を進め、エコタイプ進化に関わる遺伝子の同定も行う。
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研究成果の概要 |
植物が病原体応答と植物の成長はトレードオフの関係にあり、環境に応じて最適なトレードオフレベルは異なっている。1001Genomeで収集されたシロイヌナズナの系統を用い、病原体シグナルとして鞭毛蛋白質フラジェリンの部分配列flg22への応答性の成長抑制を調べたところ、系統ごとに応答は大きく違っていた。北米においては、五大湖の周辺ではflg22応答が弱い系統が集中していた。スウェーデンで採取されたシロイヌナズナのうち150系統についてゲノムワイド関連解析を行ったところ、フラジェリン受容体であるFLS2遺伝子座付近と強い相関が見出された。現在、多くの系統でFLS2遺伝子の配列の解析を行っている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
種内にはvariation(変異)が存在し、それぞれの形質の環境への適応度に応じ、それぞれの地域での各変異の頻度が違っている。一般的には特有の複数の形質の組み合わせの適応度の違いが結果として隔離を引き起こし、エコタイプ (生態型)が生まれる。本研究で見られた変異が、いわゆるエコタイプ形成に至っているのかどうかは今後の課題であるが、本研究は基本免疫応答の種内の多様性を明らかにしたもので、進化の研究に新たな視点をもたらす可能性がある。
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