研究課題
挑戦的研究(萌芽)
植物は一度受けた高温の刺激に対して、順応するようになる。このことを高温順化という。地球の温暖化が予想されているため、植物が高温に順応するメカニズムを知り、人為的に調節することは食料の安定な供給のための必須の課題と言える。しから、これまでのシロイヌナズナを用いた高温順化の実験は、フィールドでは植物が経験しない条件で解析が行われてきた。申請者は、遺伝因子とエピジェネティックな因子に注目して、シロイヌナズナのフィールドにおける高温順化の分子基盤を解析する。実験室とフィールド条件での植物の高温順化能の違いを理解し、その多様性・柔軟性・進化をゲノム・エピゲノムの両方の観点から理解する。
植物は固着して生きるため、芽生えたその地で刻々と変動する温度に適応しなければならない。特に、不規則に変動する温度を段階的に読み取るのが重要になるのが、高温順化の過程である。申請者は、植物が記憶をする原理を研究した。この研究で、エピゲノム因子であるJUMONJI (JMJ)が抑制的ヒストン修飾であるH3K27me3を除去することで、植物が高温を受けた経験をしばらく記憶することを明らかにした (Yamaguchi et al., 受理, Nature Com.)。
申請者は、植物が記憶をする原理を研究し、エピゲノム因子であるJUMONJI (JMJ)が抑制的ヒストン修飾であるH3K27me3を除去することで、植物が高温を受けた経験をしばらく記憶することを明らかにした (Yamaguchi et al., 受理, Nature Com.)。この研究は植物の記憶の分子基盤の実体を明らかにした例として、国際的に高く評価された。繰り返しやってくる高温の刺激に適応する仕組みを解明して操作することは、植物の生き残り戦略を知り、植物に対する気候変動の影響を軽減するための対策を講じていくうえでも非常に重要である。
すべて 2021 2020 2019 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 3件、 査読あり 11件)
Current Opinion in Plant Biology
巻: 61 ページ: 102009-102009
Nature Communications
巻: 11 ページ: 5118-5118
bioRxiv
巻: -
Frontiers in Plant Science
巻: 11 ページ: 600726-600726
巻: 11 ページ: 596835-596835
Plant Cell and Environment
巻: 42 ページ: 2198-2214
Plant Signaling and Behavior
巻: 14 ページ: 1604019-1604019
Journal of Experimental Botany
巻: 70 ページ: 1711-1718
Plant Cell
巻: 31 ページ: 1488-1505
120006726651
International Journals of Molecular Sciences
巻: 20 ページ: 4065-4065
New Phytologist
巻: 222 ページ: 2-2
Frontiers in Ecology and Evolution.
巻: 7 ページ: 437-437