研究課題/領域番号 |
19K22433
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
|
研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
別所 康全 奈良先端科学技術大学院大学, 先端科学技術研究科, 教授 (70261253)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
|
キーワード | 奇形 / 形態異常 / 脊椎骨 / 体節 / 遺伝子発現 / 発生 / 転写因子 / 形態形成 / 集団的振る舞い |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、脊椎骨の癒合を奇形発生のモデル系として、脊椎骨の原基である体節の細胞の集団的振る舞いに着目することで奇形・形態異常が惹起されるメカニズムの解明を試みる。それぞれの体節は遺伝子発現の特徴から前側と後側のコンパートメントに明確に分かれることが知られている。前側のコンパートメントが、ひとつ前の体節の後側のコンパートメントと合わさることによってひとつ脊椎骨ができる。したがって前後のコンパートメントの境界は2つの脊椎骨の間に相当するので、前側と後側の細胞が入り混じっていると、細胞塊どうしの分離が不完全になり、脊椎骨の癒合が生じると予想される。これを作業仮説として研究を進める。
|
研究成果の概要 |
生物の奇形は、遺伝的要因と環境的要因が正常な発生プロセスを撹乱することによって、確率的に生じると考えられている。本研究では、脊椎動物の脊椎骨に確率的に生じる奇形に注目し、奇形が生じるメカニズムとそれを防ぐロバスト性メカニズムを明らかにすることを目指した。抗てんかん薬であるバルプロ酸はマウスの体節形成と体節から分化する脊椎骨の形態異常を引き起こすが、我々はバルプロ酸の作用点を明らかにした。またNrarpノックアウトマウスを用いて、Nrarpが体節・脊椎骨の形成においてロバスト性メカニズムに寄与することを明らかにした。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、生物の発生プロセスは、遺伝学的解析などでかなりの部分が分子のレベルで明らかにされてきた。しかし、概ね正常であるが一部分だけに形態異常が起こる “奇形”については、アプローチがむずかしいためにメカニズムの解明が遅れていた。本研究は、発生プロセスにバルプロ酸で摂動を与えると奇形が生じる系を利用し、奇形が頻発する遺伝子改変マウス組み合わせて、摂動の作用点を明らかにし、さらにロバスト性メカニズムにアプローチすることで、奇形のメカニズムに切り込むものである。
|