研究課題/領域番号 |
19K22442
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分44:細胞レベルから個体レベルの生物学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
小椋 俊彦 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 上級主任研究員 (70371028)
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研究分担者 |
山本 条太郎 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 研究員 (20585088)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 窒化シリコン薄膜 / 走査電子顕微鏡 / 赤外線 / インピーダンス / 窒化シリコン / 金属薄膜層 / 走査電子 / ナノ粒子 / 生物試料 / 波長分光 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究提案では、水溶液中の生物試料やナノ粒子をそのままの状態で観察し分析を行なう、新たな原理に基づく赤外線観察・分析システム(走査電子赤外線分光観察法)を開発する。本装置を用いることで、セラミック材料や有機材料、食品や化粧品等のナノ粒子の観察と組成分析、さらには環境中のナノレベルの汚染物質の解析にも応用を勧める。さらに、生きた生物試料の高分解能の赤外線観察を目指す予定である。
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研究成果の概要 |
本研究では、薄膜に入射した走査電子線により放出される赤外線等を用いた走査電子赤外線顕微鏡の開発を行った。走査電子顕微鏡の内部は、真空であるため、耐圧性の高い薄膜により試料を封入することが必須となる。本研究では、生物試料や有機材料を2枚の窒化シリコン薄膜で挟み込み密閉し、薄膜上部に電子線を走査させながら入射させる。これにより、電子線照射位置では局所的な熱スポットが生じ、ここから赤外線を含む様々な物理線が放出される。こうした物理線をサンプルを透過させた後に検出することで画像化を行う。本システムにより、有機材料等の観察を行い、さらに熱によるインピーダンス変化の分析も可能とした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、生物試料や有機材料等の高分解能での観察を行うため、薄膜上部の金属層に電子線を走査させながら入射し、ここから生じる赤外線等を試料を透過させた後に検出し、画像化する新たな顕微鏡システムを開発した。これにより、電子線を直接試料に照射すること無く、電子線から変換されたより低ダメージの物理線で観察を行うため、極めて低いダメージで観察が可能である。さらに、電子線の直接照射に比べてコントラストが高く、スペクトル成分の分析も可能とした。そのため、本観察システムでは、溶液中の生物試料や有機材料、ナノ粒子等の直接観察と分析が可能となり、広範囲の産業分野への貢献が期待される。
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