研究課題/領域番号 |
19K22450
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
浅見 崇比呂 信州大学, 理学部, 特任教授 (10222598)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | evolvability / 左右性 / 有肺類 / asymmetry |
研究開始時の研究の概要 |
螺旋卵割により発生する螺旋動物のうち、体内受精する巻貝は交尾器を体の側面にもつ。このため逆巻変異体は野生型との交尾が難しく、配偶上不利である。にもかかわらず、逆巻系統がくり返し進化した。逆に、放精放卵する巻貝を含め、他の螺旋動物は、体外受精するか、交尾器を正中線にもつ。ゆえに、左右逆に発生しても配偶上支障がない。ところが、内臓逆位の種は進化していない。本研究はこのパラドクスの解決に挑む。
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研究成果の概要 |
これまでに確立された腹足類モデル系において、螺旋卵割の極性を左右する因子に突然変異が生じると、初期胚の割球配置が個体間で大きくばらつく。この量的な個体変異に初めて着眼し、以下のパラドクスを解決するための実証実験を行った。「螺旋(冠輪)動物のうち、体内受精する巻貝は、交尾器を体の側面にもつため、左右逆に発生すると交尾器の位置も逆になり、交尾する上で不利である。にもかかわらず、逆巻(内臓逆位)の種がくり返し進化した。一方、サザエなどの巻貝や他の螺旋動物は、交尾せずに放精放卵するか、または正中線で交尾するため、左右逆でも配偶に支障がない。ところが、内臓逆位の種は進化していない。」
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
螺旋卵割は、前口動物を二分する大系統の一つ(螺旋/冠輪動物)にユニークな発生様式である。受精卵が時計回りまたは反時計回りに分裂する。螺旋卵割のこの極性を左右する因子に突然変異が生じると、各発生段階における割球配置が、野生型よりも個体間で大きくばらつく。本研究は、この割球配置の量的な個体変異が遺伝的背景に依存する事実を摘出した。
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