研究課題/領域番号 |
19K22451
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
永井 宏樹 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80222173)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,240千円 (直接経費: 4,800千円、間接経費: 1,440千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 寄生 / 共生 / アカントアメーバ / 寄生・共生 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、共生菌研究や巨大ウイルス研究において宿主として利用されているアカントアメーバをモデル宿主として利用し、環境中より新たなアメーバ寄生・共生微生物を探索し、CPR細菌に代表される新規ダークマター微生物を単離・培養・解析することより「新たな生命樹観」を確立することを目的とする。本研究で発見を期待しているアメーバ寄生・共生微生物は、これまで培養不能であることなどから記載されることがなかった新規微生物である。本研究の成果は、アメーバ寄生性の病原微生物や巨大ウイルスの進化の理解を新たに方向づける可能性があるだけでなく、地球上の生命の起源や進化について一石を投じるものになると確信している。
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研究実績の概要 |
これまでの研究により単離した候補微生物約150のうち巨大ウイルスを含む巨大核質DNAウイルス(NCLDV)に分類される20種については、ミミウイルス科新規クレードと、新規パンドラウイルス1種について完全ゲノムの決定を目指して研究を進めているが、技術的困難により進捗が遅れていた。このうちDNA精製における問題については、植物細胞からのゲノムDNA単利法で用いられる方法が改変・利用することにより目処をつけることができた。パンドラウイルスからのDNA単離については、ウイルスを溶解するステップに問題があったが、尿素・SDS・プロテアーゼKを主剤とする溶解バッファーにより溶解した後、通常のカラムベースの精製法により高品質な高分子ゲノムDNAを分離することができた。一方で、ミミウイルス科新規クレードウイルスからのゲノムDNA単離は、高塩濃度あるいはアルコール存在下で沈殿を引き起こす夾雑物の存在により、上述の方法では収率が大きく損なわれる問題が残っていたが、高塩濃度下でCTABを作用させることにより高品質な高分子ゲノムDNAを分離するに成功した。またこのように単離したゲノムDNAを利用してONT MinIONによるロングリードを得ることができた。低品質のゲノムDNAを利用して得ていたIlluminaショートリードと合わせてゲノム解析を行ったところ、ミミウイルス科新規クレードウイルスのショートリードの品質に問題があり、再シーケンスする必要があることが判明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
巨大ウイルスからの高品質ゲノムDNA単離の方法論は確立できたが、一部のサンプルについてショートリードの再シーケンスの必要があることが判明した。
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今後の研究の推進方策 |
技術的な問題については解決できたと考えており、今後は当初計画どおり研究を進めていけると考える。
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