研究課題/領域番号 |
19K22454
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
平崎 鋭矢 京都大学, 霊長類研究所, 准教授 (70252567)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,110千円 (直接経費: 4,700千円、間接経費: 1,410千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 手機能の進化 / 無標点運動解析 / バイオメカニクス / 圧分布解析 / 霊長類 / 手機能 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの繁栄を支える「手」の機能の進化については、驚くほどわかっていない。その理由のひとつは、歩行器官としての手の働きに関する情報の欠如である。手はその進化の大部分において物を操作するよりも、足とともに歩行を担う器官として働いてきた。したがって、手の機能の進化を理解するには、歩行と物の操作という2つの異なる役目を果たすために手が取ってきた戦略を探ることが不可欠である。本研究では、ヒトとヒト以外の霊長類が多様な課題を遂行する際の手指の動きについて、無標点3D運動分析法を用いた生機構学的解析を行う。
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研究成果の概要 |
手の機能の進化を理解するには、歩行と物の操作という異なる役目を果たすために手が取ってきた戦略を探ることが不可欠である。本研究ではヒトを含む霊長類が多様な課題を遂行する際の手指の動きについて、無標点3D運動分析法、圧分布分析法を用いたバイオメカニクス解析を試みた。マニピュレーション実験からは、ヒトではサル類に比べ、手の機能軸が内側に移動していることが示唆された。ロコモーション実験からは、樹上歩行を模した水平ポール上歩行において、拇指の役割が大きくなることが明らかになった。COVID-19の影響で遅れが生じているが、今後、手指の動きの制御システムモデルに実験データをフィードすることで分析を進める。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請は、手指の動きについて、その進化的背景、すなわちロコモーション器官としての手を視野に入れ、ヒトを含む霊長類でバイオメカニクス解析を行うことで手の機能進化の探索を試みた最初の研究である。本研究の実験結果の分析が進めば、手の進化に関する新たな知見をもたらすのみならず、手指に関する人間工学や把握が重要な要素となるロボット工学、さらには手機能の病的低下や老化による低下に関する臨床医学領域に対して、重要な情報を提供できる可能性がある。
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