研究課題/領域番号 |
19K22455
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
酒井 章子 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (30361306)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 送粉 / 真菌 / 細菌 / 植物繁殖生態学 / 細菌叢 / 訪花者 |
研究開始時の研究の概要 |
自ら移動できない植物は、花蜜や花粉で動物を誘引し送粉(花粉の授受)に利用する。この植物と送粉者の関係は、異なる生物種が互いに利益を与える相利共生のモデル系として盛んに研究されてきたが、送粉者の訪花が植物に与えるコストにはほとんど目が向けられてこなかった。 送粉者が潜在的にもたらしうる負の影響の一つに、微生物への感染がある。そこで本研究では、①送粉過程において花に感染する微生物叢を明らかにする、②空気感染と送粉者を介した感染の相対的重要性を明らかにする、③微生物が植物の繁殖に影響を与えることを示すことを目指す。
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研究成果の概要 |
送粉生態学では、花は花粉を花から花へと運ぶ送粉者との関係を中心に研究が行われ、それ以外の生物との相互作用はあまり注目されてこなかった。しかし近年、送粉者は花粉ばかりでなく多数の微生物を花にもたらすことが明らかになってきた。それらの繁殖への影響は、ほとんどわかっていない。本研究では、これらの微生物が繁殖に影響を与えるのではないかと考え、調査と実験を行った。その結果、植物の花の上には、病原性を持つ細菌あるいはその近縁種が存在し、結実率に負の影響をもたらすことが示された。このことは、植物の繁殖に微生物が影響を与えてきたことを示唆する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物上には、地下部ばかりでなく地上部にも、さまざまな微生物が存在し、植物の生存、成長や繁殖にさまざまな影響を与えうることがわかってきた。本研究では、野生植物において、花の上の微生物が繁殖に影響を与えうること、それらの微生物の一部は送粉者によって花にもたらされることを示した。この結果は、植物と相利共生の関係にある送粉者が植物に負の影響をもたらしうることを示し、送粉生態学に大きな影響を与える。
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