研究課題/領域番号 |
19K22459
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分45:個体レベルから集団レベルの生物学と人類学およびその関連分野
|
研究機関 | 大阪市立大学 (2020-2021) 長崎大学 (2019) |
研究代表者 |
和田 崇之 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (70332450)
|
研究分担者 |
西川 禎一 帝塚山学院大学, 人間科学部, 特任教授 (60183539)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
|
キーワード | 腸内細菌 / 宿主適応 / 定着因子 / 分子進化 / 細菌ゲノム |
研究開始時の研究の概要 |
定着因子は細菌表面に局在するタンパク質であり,宿主細胞と特異的に接着する機能を持つ.中でも,F4因子は様々な宿主から広く見出されている点で特徴的である.本課題では,F4因子の多様性と宿主適応の関連性に着目し,様々な生物種から同因子を保有する菌を網羅的に探索する.それらのDNA配列から分子進化学的検証を行い,宿主の壁を越えて感染を拡げる病原体のしたたかな生存戦略を解明する.病原細菌学的には,人獣共通感染症としての潜在的リスクを提唱し,医学・獣医学へのフィードバックの足がかりとする.こうした研究展開を微生物生態学と病原細菌学の双方にインパクトを与えうる「病原細菌の適応進化学」として確立する.
|
研究成果の概要 |
細菌が感染するには,菌体表面の「定着因子」が宿主の細胞を認識・接着する必要がある.このことから,定着因子の進化は,宿主をまたいで感染を広げる細菌の生存戦略とも言える.本研究課題では,宿主域を変化させうる可能性が高い定着因子(κクラス CU)に着目し,さまざまな動物由来の大腸菌株遺伝子の配列データを解析するとともに,保有株の検出システムを確立し,ヒト細胞接着性を持つ新規定着因子の同定に成功した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
微生物が宿主に感染する時,第1段階としてその宿主細胞に接着する必要がある.本研究では宿主細胞に接着するための菌体成分(定着因子)に着目し,ヒトや家畜,その他動物から分離された大腸菌株の定着遺伝子を比較・検証し,その相関や接着性能,新しいヒト接着因子の発見に結びつけた.こうした結果は,未知の食中毒・感染症の原因究明に役立てられる基礎的データとなるとともに,様々な動物を宿主として広がる感染性微生物の生態を知る手がかりとして活用していくことができる.
|