研究課題/領域番号 |
19K22464
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
大城 朝一 東北大学, 医学系研究科, 助教 (40311568)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 脳血管運動 / ヒスタミン / infra-slow oscillation / 脳脊髄液循環 / ヒスタミン神経系 / infra-slow oscillaiton / 血管運動 / optogenetics / chemogenetics / ドーパミン / default-mode network / vasomotion |
研究開始時の研究の概要 |
脳波に含まれる0.1Hz 以下の非常に遅い律動成分としてinfra-slow oscillationが知られている。しかしその発生メカニズムや生物学的意義については分かっていない。本研究ではトランスジェニック動物作成といった分子生物学的手法によってinfra-slow oscillationのリズムを外部操作できるモデル生物を作り出し、このリズムは生物にとってどのような役割があるのかを電気生理学的手法を用いて明らかにする。
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研究成果の概要 |
脳動脈は非常にゆっくりした周期(<0.1Hz)で収縮・拡張を繰り返す血管運動を行っている。この血管運動の生成メカニズムを明らかにするために薬理学的スクリーニングを行い、神経伝達物質であるヒスタミンの関与を見出した。中枢ヒスタミン神経細胞は血管運動と同期してその活動を上下させ、ヒスタミンを合成できない動物では血管運動が喪失していることからヒスタミン神経系は血管運動をドライブするペースメーカーとして機能していると考えられた。さらに血管運動に異常が生じる動物では脳脊髄液の移動が停滞していることから、infra-slow脳血管運動は脳脊髄液の循環に重要な役割を果たしていると示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ヒスタミンは末梢ではアレルギー応答のメディエーター、中枢では覚醒状態を維持するための神経伝達物質として知られている。今回の研究で初めてinfra-slow脳リズムのペースメーカーとしてのヒスタミン神経系の役割が明らかとなった。さらにヒスタミンが制御する脳血管運動は脳脊髄液の循環を促進する生物学的役割を待つことも明らかとなった。本研究では血管運動が異常となるモデル生物を見出し、ヒスタミン神経系を介して脳血管運動及び脳脊髄液の循環を操作できることを初めて示した点に大きな意義がある。
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