研究課題/領域番号 |
19K22466
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 春樹 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 特任准教授 (70548859)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 遺伝学的ツール / オーキシン誘導デグロン法 / 神経細胞 / 遺伝子発現制御 / プロテインノックダウン / ユビキチンプロテアソーム / ユビキチン・プロテアソーム分解 / タンパク質分解 / 遺伝子発現 |
研究開始時の研究の概要 |
近年の生物学は、特定の遺伝子の機能を欠損させる遺伝子改変技術によって目覚ましい進展を遂げた。しかし単純なノックアウト実験では、目的の遺伝子の機能に関して時空間的情報を詳細な知見は提供できていない。 本申請では、植物由来のホルモンであるオーキシンを用いたタンパク質高速分解システム(AIDシステム)の神経細胞への導入を試みる。この方法は、標的タンパク質にデグロンと呼ばれる短いタグを付加することによりオーキシン依存的に標的タンパク質を短い時間スケールで分解することが可能となる。AIDシステムを神経細胞へと移植することで、時間解像度の高い遺伝子機能解析ツールを神経科学の分野に提供する。
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研究成果の概要 |
タンパク質の発現レベルの制御は、生体におけるタンパク質の機能解析において有望なアプローチである。オーキシン誘導性デグロン法は、真菌や哺乳類の有糸分裂細胞において標的タンパク質を迅速かつ可逆的に分解することが明らかになっている。本研究では、この技術が神経系に応用できるかどうかを検討した。その結果、in vivoおよびin vitroの両条件下において、植物ホルモンであるオーキシン依存的に標的タンパク質を数十分という単位で迅速に分解できることを発見した。これにより、特定の時間枠に限定したタンパク質ノックダウンが可能となり、神経系におけるより詳細な遺伝子機能解析が行われることが期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本申請課題では、植物細胞において生じる植物ホルモン依存的なタンパク質分解が、哺乳類の神経細胞において遺伝学的ツールとして移植可能であるかを検証した。その結果、神経細胞の培養系(in vitro)及び動物個体(in vivo)の両条件において、植物ホルモン依存的に数十分という時間スケールで神経細胞内で発現する標的タンパク質をノックダウンできることを明らかにした。これにより、特定の時期特異的なタンパク質の機能解析が可能となり、神経科学における遺伝子機能解析の研究が飛躍的に進むことが期待される。
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