研究課題/領域番号 |
19K22468
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
|
研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
少作 隆子 金沢大学, 保健学系, 教授 (60179025)
|
研究分担者 |
三枝 理博 金沢大学, 医学系, 教授 (20296552)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | 視床網様核 / 運動順序学習 / 視床ニューロン / 統合失調症 |
研究開始時の研究の概要 |
感覚器(眼や耳など)からの感覚情報は大脳皮質へと送られ、感覚(視覚、聴覚など)として認知されるが、情報はそのまま伝達されるのではなく、その中継地点である「視床」において選別されている。この情報の選別(ゲーティング機構)において、大脳皮質と視床の間に位置する「視床網様核」が重要な役割を担っていると考えられている(サーチライト仮説)。また、統合失調症では感覚ゲーティング機構に異常がみられることから、統合失調症の発症における視床網様核機能異常の重要性を指摘する仮説が提唱されている。本研究では、視床網様核の機能が低下した特殊なマウスを用いて、これらの仮説の検証を行う。
|
研究成果の概要 |
GABA作動性抑制性ニューロンからなる視床網様核の役割を明らかにするために、AVP-VGAT-/-マウスを用い電気生理実験および行動実験を行った。視床網様核から視床ニューロンへの抑制性シナプス後電流の大きさは野生型に比べAVP-VGAT-/-マウス(4~10ヶ月齢)では大きく低下していた。3レバーオペラント学習課題で行動実験を行ったところ、AVP-VGAT-/-マウスでは運動順序学習に障害がみられた。以上より、運動順序学習において視床網様核が重要な役割を担っていることが示唆された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
統合失調症は頻度の高い精神疾患であるが、説得力のある発症仮説はまだ提唱されていない。最近になり、視床網様核の機能異常が発症に関与するとの仮説が提唱された。この仮説を検証するためには、視床網様核の機能のみを低下させる必要がある。本研究は、AVP-VGAT-/-マウスが視床網様核機能低下のモデルマウスとなりうる可能性を示した。よって、今後はこのマウスを用いて、統合失調症における視床網様核の機能異常仮説、および、視床網様核の役割についての「サーチライト仮説」などについて検討することが可能となる。
|