研究課題/領域番号 |
19K22469
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
深澤 有吾 福井大学, 学術研究院医学系部門, 教授 (60343745)
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研究分担者 |
黒田 一樹 福井大学, 学術研究院医学系部門, 准教授 (60557966)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | Spinule / 電子顕微鏡 / spinule |
研究開始時の研究の概要 |
神経組織中の小棘構造 (spinule)や多胞体 (multivesicular body; MVB)の観察に最適化した電子顕微鏡解析法を構築しながら、特にspinuleを中心に海馬CA1領域と小脳皮質における種類と分布と出現頻度を明らかにするとともに、神経活動やシナプス可塑性との関係について遺伝子改変動物を用いた行動薬理学的手法と組み合わせて明らかにし、その基礎的な構造情報を取得する。微小膜構造の解析基盤を構築し神経機能における役割を同定することで、新規研究分野「細胞質移行による細胞間情報伝達の脳機能における役割とメカニズム」の基礎を構築する。
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研究成果の概要 |
本研究は、機能的意義や正確な脳内分布が未だ不明である超微小で低頻度にしか観察されない生体内構造体の機能的意義を明らかにできる解析基盤を構築することが目的である。この目的のため、小棘構造 (spinule)や多胞体 (multivesicular body; MVB)の観察に最適化した電子顕微鏡解析法を構築し、種々の条件でこれらの脳内局在と頻度の解析を行った。その結果、収束イオンビーム搭載高分解能走査型顕微鏡を利用して従来法よりも広範囲に超微細構造情報を取得することにより、低頻度微小構造体の定量的な解析が可能になることを確認し、これまで解析できなかった対象構造の解析基盤を構築することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Spinule様構造は1962年に初めて報告されたが (Westrum & Blackstad)、多様性や機能的役割についてのその後の報告は限られ(Spacek & Harris 2004)、その制御メカニズムは未解明であり、従ってその生理的意義も解明されていない。今回の研究成果は、生理的意義の解明に向けた解析基盤を構築した点、また、同様な微小構造体の解析にも応用可能である点で神経科学上の学術的意義があり、今後様々な生体内微小構造体の分布解析を通して、その機能に迫る方法論を提供した点で神経科学研究に留まらず広く医学生物学研究の推進に貢献するものである。
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