研究課題/領域番号 |
19K22473
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分46:神経科学およびその関連分野
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
中島 欽一 九州大学, 医学研究院, 教授 (80302892)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | ダイレクトリプログラミング / 脊髄損傷 / ミクログリア / ニューロン / 脳梗塞 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、ミクログリアをニューロンへのダイレクトリプログラミングの源細胞と定め、ニューロン分化誘導性転写因子NeuroD1の発現により、どのようなメカニズムで分化転換が誘導されるかを明らかにする。同時に、脊髄損傷モデルマウスの脊髄にNeuroD1を発現するウィルスを注入し、損傷脊髄内でもミクログリアからニューロンへのダイレクトリプログラミングを誘導できるかどうか、及びその運動機能改善効果を検証する。
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研究成果の概要 |
多くの神経系傷害に対して、内在性の非ニューロン細胞をからニューロンに直接分化転換を誘導することで失われたニューロンを供給し、その治療に役立てようとする取り組みがなされている。この研究では、脳内免疫担当細胞であるミクログリアからニューロンへのダイレクリプログラミングのエピジェネティック修飾変換を介したメカニズムを解明した。さらに、中大脳動脈閉塞による脳梗塞モデルマウスの脳内に、転写因子NeuroD1(ND1)を発現するレンチウィルスを注入することで、損なわれた神経機能を回復させることができることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究で、ND1が、ミクログリアのヒストンバイバレント修飾(転写抑制性H3K27me3 と活性化H3K4me3 を同時にもつ)ゲノム領域に結合し、ニューロン特異的遺伝子群の発現を上昇させるという詳細なメカニズムを解明した。これは、種々の転写因子がどのように遺伝子発現を変化させるのかを明らかにするという基礎生物学の観点からも意義深いと考える。また、この方法によって、脳梗塞モデルマウスにおける損なわれた神経機能を回復できたことから、他のニューロン損失を伴う神経疾患への応用も考えられ、再生医療分野における大きな進展が期待できる。
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