研究課題/領域番号 |
19K22477
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
南 雅文 北海道大学, 薬学研究院, 教授 (20243040)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 脳身連関 / 情動 / 循環器系 / 消化器系 / 分界条床核 / 薬学 / 薬理学 |
研究開始時の研究の概要 |
「心配なことがあるとお腹の調子が悪くなる」、「不安・緊張で心臓がドキドキする」などは、日常的にも経験する脳と身体の機能的連関(脳身連関)の例であり、これら「脳-消化管連関」や「脳-循環器連関」の異常は機能性消化管障害や不安障害などにもつながるが、その脳内神経機構についてはほとんど明らかでない。本研究では、最先端の脳科学研究手法を駆使して、脳身連関に関わる神経回路と、そこで機能する神経伝達物質・神経ペプチドを明らかにする。さらに、それら神経回路とストレスにより活性化される脳領域との関連を調べることによりストレスによる末梢臓器の機能障害のメカニズムにも切り込む。
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研究成果の概要 |
分界条床核から外側視床下部に投射する神経の活動抑制により不安様行動が惹起されること、分界条床核内在性の神経回路により分界条床核から外側視床下部に投射する神経が抑制性の調節を受けていることを明らかにした。分界条床核内在性神経回路の活動亢進により、外側視床下部に投射する神経への抑制性入力が増大し、不安様行動が惹起される神経機構が考えられる。今後は、病態モデルにおける不安様行動への本神経機構の関与を検討する必要がある。また、不安により引き起こされる心拍数上昇や消化管機能障害の病態メカニズムを明らかにするため、外側視床下部から橋・延髄に投射し自律神経機能を調節する神経回路を同定することが必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不安などのネガティブな情動が循環器や消化管の機能異常を引き起こすことはよく知られているが、その神経機構は未だ明らかではない。本研究では、先端的な神経路特異的薬理学研究法を駆使することにより、分界条床核から外側視床下部に投射する神経細胞の活動低下が不安情動を惹起することを明らかにした。今後、外側視床下部から橋・延髄に投射し自律神経機能を調節する神経回路を同定することにより、不安などのネガティブな情動に起因する循環器や消化管の機能障害の病態メカニズム解明や治療薬創製に役立つことが期待される。
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