研究課題/領域番号 |
19K22478
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
園下 将大 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (80511857)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2019年度: 4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
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キーワード | 認知症 / キナーゼ / ショウジョウバエ / タウオパチー / 遺伝学スクリーニング / アルツハイマー病 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者は最近、タウオパチー患者で観察される変異型ヒトタウを視神経細胞に発現させたタウオパチーハエモデルの作出に成功した。このハエは、神経細胞死やそれに伴う生存率の低下を示した。 本研究ではこのモデルにおいて全キノームの遺伝学的解析を実施し、タウオパチー促進キナーゼTauopathy-Promoting Kinases (TPKs)を同定して、それらがタウオパチー発症を促進する分子機序や細胞間相互作用を解明する。さらに、それらを阻害する認可薬がハエや患者由来細胞で細胞死を抑制するか検討する。
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研究成果の概要 |
高齢化社会の進行に伴い、認知症の罹患者数の増加が続いている。これを解決すべく代表者は、患者で観察される変異型Tauを発現するショウジョウバエを作成し、このハエがタウオパチーの典型的な所見の神経細胞死やそれに伴う生存率の低下を示すことを見出した。次に代表者は、このハエの遺伝学スクリーニングにより、上記形質を抑制するキナーゼ遺伝子変異を同定した。これらのキナーゼはタウオパチーを促進する機能を持つ新規治療標的と考えられる。そこでこれらを阻害する化合物をこのハエに投与したところ、この化合物は上記形質を抑制することが分かった。以上の結果は、認知症の発生機序や新規治療法の開発に道を拓くものである。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、高齢化社会が一層進行しており、これに伴って認知症に罹患する患者数の増加が続いている。認知症の病態はいまだ不明点が多く、有効な治療標的も不明であるため、新規治療法の開発は難航している。我々は認知症の新規モデルハエの作出に成功するとともに、新規治療標的となるキナーゼを見出し、その阻害剤がこのモデルの症状を緩和できることを見出した。今後一層深刻化することが予想される認知症に対し、これらの成果は重要な研究基盤となると期待される。
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