研究課題/領域番号 |
19K22483
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
村上 誠 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 教授 (60276607)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 脂質 / 酵素 / 腸内細菌叢 / アレルギー / メタボローム / 生体分子 / 細胞・組織 / がん |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者が長年研究に取り組んできた脂質代謝酵素ホスホリパーゼA2 (PLA2) を基軸に、脂質代謝の視点から腸内細菌叢の新規調節機構を解明する。すなわち、腸管限局型sPLA2 (IIA, X) の欠損マウスを用い、メタゲノム、トランスクリプトーム、メタボローム解析を駆使して腸内細菌叢の変容ならびにそれに伴う代謝物の変化を精査するとともに、その癌・アレルギー・肥満等の遠隔臓器の表現型との関連性を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、細胞外リン脂質分解酵素sPLA2を基軸に、脂質代謝の視点から腸内細菌叢の新規調節機構を解明することを目的とした。腸管に限局分布するsPLA2-IIA, -Xの各欠損マウスでは腸内細菌叢が変化し、これに伴い血中代謝物や糞便脂質が変化し、皮膚や脂肪組織に癌、アレルギー、肥満等と関連する表現型を発症した。欠損マウスを野生型マウスと同居飼育、またはよりクリーンな環境で飼育すると、両群間の腸内細菌叢に差が見られなくなり、皮膚や脂肪組織の表現型が消失した。このことから、腸管sPLA2は腸内細菌叢の制御を通じて遠隔臓器の病態発症に影響を及ぼすことが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、腸内細菌叢の組成変化が腸疾患だけでなく遠隔組織の病態にも波及することが注目されている。したがって、腸内細菌叢が宿主に及ぼす影響とそのメカニズムを解明することは、国民のQOL向上を目指す上で学術的にも社会的にも重要である。本研究は細胞外リン脂質代謝酵素sPLA2の動作原理に関する概念を大きく転換させるものであり、脂質や腸内細菌叢の研究領域への学術的貢献度は高い。また社会的には、将来的にsPLA2の機能介入を通じて腸内細菌叢と宿主の相互作用をプレバイオティクスやプロバイオティクスにより人為的に調節できれば、新しい機序に基づく健康食品・医薬品の開発に結びつくことも期待される。
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