研究課題/領域番号 |
19K22484
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
相馬 洋平 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), グループリーダー(講師相当) (10565518)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | アミロイド / 光酸素化触媒 / タウ / α-シヌクレイン / アルツハイマー病 / 神経変性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
タンパク質が異常凝集した細胞内アミロイドは、神経変性疾患発症の原因になると考えられている。また、細胞内アミロイドは疾患原因となるだけではなく、長期記憶維持など生理的に重要な役割を果たしていることが示唆されている。本研究課題において、様々な生体分子が共存する細胞内環境において、目的のアミロイドに対して選択的に酸素化反応を進行させることのできる光触媒を開発する。また、光触媒を利用することで、細胞内アミロイドがもたらす病態機構や神経機能の同定を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究目的は、光で駆動する人工触媒である光酸素化触媒を利用することにより、タウ、α-シヌクレインなどの細胞内アミロイドの動態を制御し、その結果、これらの新しい機能を同定することである。タウアミロイドに対する光酸素化触媒を創製し、触媒がタウアミロイドを選択的かつ高収率で光酸素化することを認めた。さらに、本触媒を用いて、細胞間伝播機構において核として働くタウアミロイドを酸素化することにより、培養細胞内における新たなタウのアミロイド形成誘導が抑制されることが明らかになった。また、同様に、α-シヌクレインが形成するアミロイドに対し、効率的に光酸素化反応を促進することのできる触媒を同定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回開発した光酸素化触媒は、細胞内アミロイドに対し、通常のフォールディング状態に影響することなく、疾患に関与するアミロイド凝集体と選択的に反応した。また、本手法を利用することにより、細胞内アミロイドの伝播機構が酸素化修飾によって制御可能であることを示した。本結果は、細胞内アミロイドが原因となる様々な神経変性疾患の病態解明や治療法開発につながる潜在性を有する。
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