研究課題/領域番号 |
19K22487
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 洋史 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80206523)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 代謝経路 / 病態 / 推定手法 / 代謝ネットワーク / 小分子代謝 / 生活習慣病 / 大規模モデル / 代謝 / 内因性小分子 / 肝臓 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトを含む多くの哺乳類において、内因性代謝物の血中濃度を維持することは生命維持に必要不可欠であるが、この恒常性維持システムの特性を包括的に理解し、治療介入などの効果を予測するためには、数理モデルを用いたシミュレーションが有用である。本申請研究では、循環血中から肝臓内への各代謝物の流入フラックスは反応速度論モデルで記述し、これによって計算出力される流入フラックス値を代謝フラックス均衡モデルに入力することで、肝臓内の各代謝フラックスおよび肝臓から循環血中への流出フラックスを計算出力する、二段階の数理モデルを構築することで、小分子代謝物の挙動を包括的に記述する手法を確立することを目指す。
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研究成果の概要 |
近年、ヒトの代謝反応に関する膨大な既知情報を統合した、ゲノムスケールの代謝ネットワークモデルが構築され、利用可能となっている。また、疾患発症などに伴う状態変化を包括的に捉えた実測データとしては、患者と健常人の間で各種の臓器におけるトランスクリプトームを比較したデータが、公開データベースに蓄積されて利用可能となっている。本研究では、患者と健常人の間で臓器中のトランスクリプトームを比較したデータを用い、有向性や分岐なども含めた代謝ネットワークの構造を考慮に入れることで、疾患に伴って近傍の代謝流束が増加あるいは減少する代謝物を包括的に推定・抽出する手法を開発した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、代謝ネットワークの構造と代謝酵素の発現量変動情報に基づき、疾患に伴って代謝流束が変化すると考えられる代謝物を、従来法よりもバイアスが少なくかつ高い検出力で、包括的に抽出する手法を開発した。本研究で構築された解析手法は、代謝経路の変動する慢性疾患の病態理解や、新規創薬標的の探索などに有効に活用できると期待される。
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