研究課題/領域番号 |
19K22491
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
柴田 哲男 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40293302)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | ヘリックス / テルフェニル / 不凍活性 / 糖 / ビアリール化 / テトラフルオロスルファニル / フッ素 / グアニジン / 不凍糖タンパク質 / 硫黄 |
研究開始時の研究の概要 |
不凍物質は医療からアンチエージング化粧品まで幅広い応用が期待されているが,これまで研究されている不凍物質は魚類,菌類,植物などから抽出・単離した天然物であるため,大量入手には不適である。そこで純有機合成化学的手法にて人工の不凍活性物質を合成することを目的とする。まず,独自の不凍活性仮説に立脚して2つの新しい分子を設計する。即ち,分子構造にテトラフェニルスルファニル部位を組み込んだテルフェニル分子,および1,1,1-ビシクロペンタン(BCP)を基本骨格とする分子である。次いで,それぞれの基本部位の合成手法の開発研究に取りかかった後,標的合成へと展開する。合成が完了すれば不凍活性の評価を行う。
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研究成果の概要 |
低分子有機分子で不凍タンパク質の不凍活性を実現させることを目的として,分子の立体障害のみでαヘリックスを摸倣するテルフェニルに水溶性構造を組み込んだ化合物を設計し合成を行った。2度のビアリール化によってパラ-テルフェニル骨格を合成した後,側鎖に水溶性のグアニジンを導入して設計した分子を合成した。得られた化合物を評価した結果,不凍作用を示すことがわかった。同様の概念により,フッ化硫黄官能基であるテトラフルオロスルファニル構造と芳香族とアルキンの3ユニットを組み込んだ分子を設計し,合成することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
不凍分子は幅広い産業へ応用が期待されている。しかし現実にはその源を天然物に頼らざるを得ないため入手に問題であり,その利用は極めて限定されている。そのため人工不凍作用物質の開発が望まれている。本研究成果は,遅々として進まなかった人工不凍分子開発の足がかりとなるものである。小分子でもヘリックス構造と水溶性構造があれば,不凍作用を示す可能性を初めて明らかにしたことにより,今後の開発に拍車がかかると予測される。
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