研究課題/領域番号 |
19K22492
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
竹本 佳司 京都大学, 薬学研究科, 教授 (20227060)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 合成化学 / ペプチド / 触媒反応 / ボロン酸 / 触媒作用 / 触媒 |
研究開始時の研究の概要 |
医薬品や機能性材料に含まれる多様なペプチドを合成するため、多くの合成法が確立されているが、副生成物を排出せず、常温常圧下で進行し、ラセミ化を起こさない触媒反応は未だ存在しない。その中でボロン酸触媒はアミノ酸を直接利用できる点で最も有望な触媒の1つであるが、触媒量、反応温度、ラセミ化などの課題があり、水しか出ない画期的な触媒開発という目標の達成には大きなブレークスルーが必要である。本課題では、従来法とは異なりボロン酸とカルボン酸の分子内配位結合と酸塩基触媒作用を併用活用する新概念を考案し、触媒活性の大幅な向上と触媒活性種の安定化を達成しうる超酵素様のペプチド合成触媒の創製に挑戦する。
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研究成果の概要 |
我々は、αーアミノ酸の脱水アミド化反応に効果的なアルケン型gem-ジボロン酸を開発した。この触媒の構造的特徴は2つのフェノールとB-C-B構造を分子内に有することであり、モレキュラーシーブス存在下に攪拌するだけで四環性構造を形成する。この堅牢な環状構造がカルボン酸の活性化とラセミ化の抑制に起因しており、従来のアリールボロン酸とは異なる触媒作用で進行するものと推定している。アミノ酸の窒素置換基としては通常のアミノ酸合成で資料される保護基(Boc, Cbz, Fmoc)やCF3CO基が使用可能であり、また酸素、窒素、硫黄など様々な官能基が本反応条件下で共存可能であった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
医薬品や機能性材料に含まれる多様なペプチドを合成するため、多くの合成法が確立されているが、副生成物を排出せず、常温常圧下で進行し、ラセミ化を起こさない触媒反応は存在しない。本課題では、従来法とは異なりカルボン酸の分子内配位結合と酸塩基触媒作用が同時に可能となるgem-ジボロン酸を新たに設計することで、触媒活性の大幅な向上と触媒活性種の安定化を達成し超酵素様のペプチド合成触媒の合成に成功した。この研究成果により、触媒量、反応温度、ラセミ化など数多くの課題を解決する糸口に繋がる構造的知見を得ることができ、水しか出ない画期的でクリーンな触媒開発という目標に一歩近づくことができた。
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