研究課題/領域番号 |
19K22493
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松崎 勝巳 京都大学, 薬学研究科, 教授 (00201773)
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研究分担者 |
矢野 義明 京都大学, 薬学研究科, 講師 (60402799)
星野 大 京都大学, 薬学研究科, 准教授 (70304053)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2020年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2019年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 膜タンパク質 / 高分解能NMR / 可溶化剤 |
研究開始時の研究の概要 |
高分解能NMR法では、立体構造が決定可能な分子量は最大で80 kDa程度に制限され、膜タンパク質の膜環境における構造解析は不可能である。これまでの研究において、膜脂質をベースとした新規可溶化剤組成物を用いると、7回膜貫通型バクテリオロドプシン(bR、27 kDa)をわずか50 kDa程度の可溶化体として安定にネイティブ構造を保持可能なことを見出した。本研究ではこの新規可溶化剤組成物の溶液NMR測定への有用性を実証するために、膜タンパク質(A型インフルエンザM2タンパク質およびS31N変異体、bR)の15N、13C、2H標識サンプルを調製し、高分解能NMR測定を行う。
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研究成果の概要 |
膜タンパク質の高分解能NMR測定を目指し、脂質二分子膜環境を提供し、かつ小サイズで膜タンパク質を可溶化できるリン脂質ベースの新規可溶化剤と安定化剤を開発した。この2種を組合わせることで、7回膜貫通型膜タンパク質てであるバクテリオロドプシンや1回膜貫通型膜タンパク質であるA型インフルエンザM2タンパク質を、40°Cで1週間程度、安定に可溶化することに成功した。さらに、2H 15N標識バクテリオロドプシンの1H-15N TROSY-HSQCスペクトル測定を行ったところ、観測しうる残基数のおおよそ8割強のピーク数が観測できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
創薬に重要な膜タンパク質は水に溶けないため、その構造機能解析は遅れている。これまでに用いられている膜タンパク質可溶化剤は、膜タンパク質を変性させてしまうことが多いという問題点を抱えていた。我々は、膜タンパク質のまわりに本来存在するリン脂質をベースとした新規化合物を開発することにより、膜タンパク質を長期に安定に可溶化することに成功し、構造機能解析への道を拓いた。
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