研究課題/領域番号 |
19K22505
|
研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分47:薬学およびその関連分野
|
研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
宮川 世志幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (90415604)
|
研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
|
キーワード | ヘルペスウイルス / CRISPRa / インシュレーター / Herpes simplex virus / LAT |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、申請者らが近年開発した無毒化したヘルペスウイルス(HSV)ベクターシステムと改変ゲノム編集技術を組み合わせることにより、遺伝子治療において長い間課題点とされてきた治療遺伝子の不活性化の問題解決に挑む。申請者らは、無毒化HSVの特定のゲノム領域LATがインシュレーター配列により周辺のゲノム環境に影響を受けず、一定の転写活性を示すことを見出している。本領域に改変ゲノム編集技術を応用して同領域の転写活性を安定的に高い状態に保つことを実現する。以上により、長期的に治療遺伝子供給可能な新しい遺伝子治療戦略の提案を行う。
|
研究成果の概要 |
本研究では、申請者らが開発した無毒化HSVベクターシステムを改良し、恒久的に治療遺伝子発現が継続できる新規治療用担体の開発を行った。新規発現系構築のために、HSVゲノム領域LATへ持続的に人工転写活性因子がリクルートされるように改変Cas9発現系を構築した。本発現系においては、LAT領域に標的化された改変Cas9-sgRNA複合体により、同領域を特異的に転写活性化できることが判明した。さらにsgRNAを複数組み合わせることにより、同領域の転写活性を大幅に増加できることを見出した。以上、作製した発現系は、無毒化HSVベクターから長期的かつ安定な治療遺伝子発現に極めて有用であると考えられる。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来、sgRNAの発現にはPol IIIプロモーターが用いられ、転写調節因子dCas9とは別々に発現される。この場合、これらの発現系はそれぞれ転写機構が異なるため、人工的に転写調節を同時に行うことは困難である。一方、今回提案する発現系では、miRNA発現系を巧みに利用してPol IIプロモーターによりsgRNAを効率的に発現できる。以上により、本発現系を構成する全ての因子を一括して発現制御することを可能とし、自己プロモーターの恒常的な転写活性化を実現できる。本発現系を用いた遺伝子治療が完成すれば、恒久的な治療効果が期待され、ベクター使用量及びベクター由来免疫応答を最小限に抑えることができる。
|