研究課題/領域番号 |
19K22523
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
垣内 力 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (60420238)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 実験的進化 / LPSトランスポーター / ペリプラズムグルカン / mlaA / リン脂質 / ペリプラズム / グルカン / opgG / opgH / 大腸菌 / LPS / 外膜 / 病原性獲得 / 病原性上昇 / 遺伝子変異 / カイコ感染モデル |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、病原性細菌と非病原性細菌の違いをもたらす分子基盤を明らかにすることである。本研究では、カイコ感染モデルを用いて、非病原性細菌から病原性細菌への実験的進化を達成することにより、地球上で起きた病原性細菌の進化過程を模倣し、非病原性細菌から病原性細菌に進化する際の遺伝子変異の蓄積を捉える。病原性細菌化を引き起こす遺伝子変異群、ならびに細菌分子群を同定することにより、病原性細菌と非病原性細菌の2つの細菌グループ間の違いを生み出す分子メカニズムを構成的に理解する。
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研究成果の概要 |
地球上においては,多細胞生物の出現以降に、環境細菌が多細胞生物の体内環境に様々な遺伝子群の機能を適応進化させ、常在細菌や病原性細菌に進化したと考えられる。しかしながら,病原性細菌と非病原性細菌の違いを導く分子機構は未だほとんど理解されていない。本研究では、カイコ感染モデルを活用して、非病原性細菌が自身の遺伝子に変異を蓄積させ、宿主免疫系から排除されない状態や宿主免疫系を凌駕する状態を構築して行く過程を実験的に捉えた。分離された大腸菌変異株を解析することにより,病原性上昇を引き起こす大腸菌の遺伝子変異として,LPSトランスポーターのアミノ酸置換変異とペリプラズムグルカン合成酵素の欠損を見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は,カイコ感染モデルを利用して非病原性細菌から病原性細菌への進化プロセスを捉えることに成功した。さらに,病原性上昇を引き起こす細菌の遺伝子変異を2種類同定した。これらの研究成果は,病原性細菌の進化プロセスを研究する新たな方法論を確立した点,ならびに,細菌の感染能力獲得の新たな分子メカニズムを明らかにした点で学術的意義がある。また,高病原性化を引き起こす遺伝子変異の検出は高病原性の細菌変異株を検出する新たな技術につながり,社会的意義がある。
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