研究課題/領域番号 |
19K22526
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
堀 昌平 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 教授 (50392113)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | アレルギー疾患 / 制御性T細胞 / dysbiosis / 組織特異性 |
研究開始時の研究の概要 |
常在細菌叢の構成異常(dysbiosis)はアレルギー疾患感受性を高める重要な環境要因である。抗炎症機能を持つ制御性T細胞(Treg)の腸管における誘導障害がdysbiosisによるアレルギー反応亢進のメカニズムとして着目されているが、dysbiosisとアレルギー疾患をつなぐ“missing link”におけるTregの役割について、相関関係を超えて因果関係とメカニズムまで明確に示した研究はこれまでになかった。本研究は、バリア組織に局在するTregサブセットの破綻によって組織選択的に慢性アレルギー性炎症を発症するFoxp3変異マウスを利用してこの問題の解明を目指す。
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研究成果の概要 |
我々は、ヒト自己免疫疾患IPEX症候群において同定されているFoxp3 A384T変異が、免疫抑制機能を持つ制御性T細胞の肺や大腸などの粘膜組織への集積を障害することで、それらの組織において慢性のアレルギー反応を惹起することを報告してきた。本研究では、Foxp3 A384T変異マウスを無菌化することで正常微生物叢がこのアレルギー反応に寄与するかを検証した。その結果、正常微生物叢はFoxp3 A384T変異マウス肺におけるアレルギー反応には寄与しないが大腸において2型ヘルパー細胞を刺激してアレルギー反応を惹起していることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アレルギー疾患を促進する環境要因として常在細菌叢の構成異常が注目されている。そのメカニズムとして制御性T細胞の関与が示唆されているが、これまでアレルギー反応制御における常在細菌と制御性T細胞の関連と相互作用メカニズムはよくわかっていない。本研究は、Foxp3 A384T変異マウスをモデルとして、制御性T細胞機能異常と常在細菌が相乗的に大腸においてアレルギー反応を惹起する(すなわち、制御性T細胞が常在細菌に対するアレルギー反応を抑制している)ことを明らかにした点で学術的な意義がある。
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