研究課題/領域番号 |
19K22528
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
片貝 智哉 新潟大学, 医歯学系, 教授 (00324682)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | 細胞単離 / ストローマ細胞 / 組織スライス / 生体イメージング / 免疫細胞 / リンパ節 / 生細胞回収 / 免疫組織システム / ライブイメージング |
研究開始時の研究の概要 |
免疫器官は膨大な数の免疫細胞が活発に移動し複雑な相互作用が進む臓器である。これは細胞が時空間的に統制されていることを示唆するが、その理解はあまり進んでいない。現在の研究技術では、狭い範囲の細胞の動きや性質と広い範囲の位置情報の取得の両立が難しいが、免疫器官を包括的に理解するためにはこれらを可能にする技術革新が必要である。本研究では、組織微小領域から生細胞を回収し、1細胞解析と広域情報を網羅的に調べるシステムを構築する。
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研究成果の概要 |
免疫応答の根幹を担うリンパ節の時空間的な細胞間相互作用を明らかにするために、マウスのリンパ節から組織スライスを作成し、微小組織領域の細胞集団を効率的に回収する方法を探った。その結果、組織スライスの上下を樹脂薄層フィルムで覆い、実体顕微鏡下において微小生検トレパンを用いて円形に打ち抜くことにより、安定して微小領域の組織片を回収する手法を確立した。また、微小組織片をコラゲーナーゼおよびDNアーゼにより消化し、細胞を単離することに成功したほか、細胞を蛍光抗体染色した後にフローサイトメトリー解析を行い、組織領域によって予想どおりの免疫細胞サブセットの比率となっていることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、臓器の微細構造に関する理解は進んできているが、多くは固定した薄切標本を用いた観察や、観察可能な範囲に限定した一部の生体観察に基づく。一方、構造の空間的な位置情報を保ったまま生きた細胞を回収することは未だ容易ではない。また、免疫細胞の移動や分子過程が明らかになる一方、臓器ごとに免疫系の性質や挙動は大きく異なり、組織の場や局所環境を理解することが重要である。特にリンパ器官の動的・変動的な性状はそれを阻んでいる。本研究で確立された手法は、ダイナミックな臓器の生理的機能の解析とともに、幅広い臓器にも適応可能で、構造や機能、疾患に伴う病理的な組織変容を明らかにするための有用な方法となる。
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