研究課題/領域番号 |
19K22531
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 大阪大学 (2020-2022) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
岡部 泰賢 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任准教授(常勤) (50522124)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
6,370千円 (直接経費: 4,900千円、間接経費: 1,470千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 大網乳斑 / ストローマ細胞 / レチノイン酸 / ストローマ / 大網 / 体腔 / マクロファージ / リンパ球 / 中皮細胞 |
研究開始時の研究の概要 |
腹腔は、腹膜で囲まれた閉鎖空間である。腹腔は単なる空所ではなく、多数の免疫細胞が局在することで独自の免疫コンパートメントを形成する。腹腔と循環系の間には常時、免疫細胞の交換が起こっているが、免疫細胞がどのようにして閉鎖空間である腹腔に流入し、そして腹腔外へと流出するのか、そのメカニズムは明らかにされていない。今回、腹腔の免疫細胞の移動を制御すると考えられる新規中皮細胞を同定した。本研究では、この中皮細胞を解析することで腹腔免疫細胞の移動メカニズムを明らかにする。
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研究成果の概要 |
腹腔内臓器の大網は、腹腔内の感染の波及を防ぐ機能があり、『腹部の警察官』と例えられる。特に大網に存在する『大網乳斑』と呼ばれる二次リンパ組織に類似した白血球凝集体構造は、腹腔内に侵入した細菌に対する感染防御に中心的な役割を担う。しかし大網乳斑が形成される仕組みは理解されていない。本研究では、大網乳斑に存在する新しいストローマ細胞を同定し、この細胞の性質を詳細に解析した。その結果、このストローマ細胞は血中からのリンパ球のリクルートを制御し、大網乳斑の形成に重要であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、腹腔内の病原体侵入の監視・応答を担う大網乳斑に特異的に存在する新しいストローマ細胞が同定されたとともに、これまでほとんど明らかにされてこなかった大網乳斑の形成メカニズムの一端が解明された。これらの知見は、腹腔内感染症および致死性の敗血症のメカニズムの理解や治療法の開発へ繋がる可能性が期待される。
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