研究課題
挑戦的研究(萌芽)
申請者らが独創的に構築したヒト脱ユビキチン化酵素(DUB) cDNAセットを用いて、gain-of-function法にて炎症や自然免疫に重要なシグナル伝達や選択的オートファジー制御に関わるDUBの定量的・網羅的探索に挑戦するとともに、酵素機能の生化学的解析、細胞・個体レベルでの生理機能解析、DUB阻害剤の同定を目指し、炎症・自然免疫を制御するDUBの相対位置付け(DUBマップ)を明らかにする。また、シグナル伝達経路・選択的オートファジーの研究試薬や癌・炎症性疾患に対する創薬シーズの開発を目指す。本研究から、基礎医学研究のみならず、癌や炎症性疾患に対する新規創薬標的の同定が期待される。
ユビキチンは、細胞内の不要タンパク質に結合して選択的に分解に導く目印として同定され、2004年に発見者らにノーベル化学賞が授与されるに至った重要な細胞機構である。その後の研究から、タンパク質分解のみならず炎症・免疫シグナルや選択的オートファジー、DNA修復など多彩な細胞機能制御に関わることが明らかになってきた。生成されたユビキチン鎖を分解する脱ユビキチン化酵素(DUB)はヒトでは約100種存在し、ユビキチン生成を介する多様な細胞機能を制御する。本研究では、88種のDUBを調整し、炎症・免疫シグナルや選択的オートファジーに関わるDUBを網羅的に探索・特徴解明、阻害剤開発を進めた。
ユビキチン修飾系の制御破綻は癌や神経変性疾患など各種疾患発症に関わるため、近年、脱ユビキチン化酵素(DUB)が創薬標的として高く注目されている。我々は独創的にDUBのライブラリーを調整し、各種細胞機能を制御するDUBの抽出を進め、特に炎症応答に関わる新規DUBを見出すことができた。また、細胞内侵入細菌が引き起こす選択的オートファジーとの関連、及び直鎖状ユビキチンを特異的に分解するDUBに対する阻害剤探索を行なった。これらの研究から新規細胞制御性DUBの発見と創薬シーズ展開が期待できる。
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すべて 雑誌論文 (17件) (うち国際共著 1件、 査読あり 17件、 オープンアクセス 12件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 2件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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