研究課題/領域番号 |
19K22543
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研究種目 |
挑戦的研究(萌芽)
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
中区分49:病理病態学、感染・免疫学およびその関連分野
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研究機関 | 法政大学 (2020) 杏林大学 (2019) |
研究代表者 |
小林 一三 法政大学, マイクロ・ナノテクノロジー研究センター, 研究員 (30126057)
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研究分担者 |
花田 克浩 大分大学, 医学部, 助教 (90581009)
大崎 敬子 杏林大学, 医学部, 教授 (90255406)
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研究期間 (年度) |
2019-06-28 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
6,500千円 (直接経費: 5,000千円、間接経費: 1,500千円)
2020年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2019年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 胃がん / ピロリ菌 / 制限酵素 / 塩基切り出し / 変異生成 / がんゲノム / DNA切断 / DNA両鎖切断 / APエンドヌクレアーゼ / 塩基除去 |
研究開始時の研究の概要 |
世界人口の半数は胃がんを起こすピロリ菌に感染しています。それがどうヒトゲノムに働いてがんを起こすのか、殆ど何も解っていません。私達は、ピロリ菌に、「特定配列DNAから塩基を切り出す」新型制限酵素を発見しました。「ピロリ菌がこの酵素をヒト細胞に注入し、それが染色体DNAの塩基を切り出し、変異・切断・ゲノム再編を起こす」という胃がんへの経路が示唆されます。その検討のために、私たちは、 A. この酵素は胃がんでのような変異を起こすかを調べます。 B. ピロリ菌感染ヒト細胞での染色体切断が、この酵素によるのかを調べます。 C. 多数のピロリ菌ゲノムを比べて、この酵素の有無が胃がんと関連するかを調べます。
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研究成果の概要 |
私たちは、塩基を切り出す新型の制限酵素を発見し「ピロリ菌が、それをヒト細胞に送り込み、ゲノムに変異を作り癌を起こす」と提唱している。 大腸菌の変異生成検出株で,この制限酵素を発現すると、変異頻度が2桁上がった。 胃がんのゲノム変異が、この制限酵素の認識配列で高い事を示した。ヒト胃上皮由来の細胞株への感染で,染色体切断に関与していることを示した。ピロリ菌ゲノムで、この遺伝子の存在と胃がん由来との高い関連を示した。この酵素で多様化選択が起きたサイトを調べ、それを立体構造・機能と結びつけ、ヒト細胞移行のモデルを得た。 これらの結果は上の仮説を強く支持する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
胃がんは,ヒトの生存に対する世界的な脅威である。その主因はピロリ菌であることは解明されたが,発がんのしくみは不明のままであった。私達は,塩基切り出し型という新しい制限酵素を発見し,「ピロリ菌が,その酵素によってヒトゲノムを作り変えることが,胃がんの原因」という仮説を提唱した。 本研究では,この仮説を支持する強い証拠を,変異生成実験,ヒト染色体切断定量,胃がんゲノムの情報解析,タンパク機能進化解析から得た。 結果は,胃がんの診療に貢献し,新薬/ワクチンで胃がんを根絶する展望を与える。「細菌によるヒトゲノム書き換え」の概念は,「マイクロバイオームとの共生体」としてのヒトと疾患の理解に新展望を開く。
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